★文末に「追記」あり(2014.3.21)
~毎度お馴染み、「忘れ去られたマイナー機に再び光を当てる」のコーナー~
1996年(平成8年)に京楽から登場した、変則2回権利物「ホイサッサ」
(基本スペック)
★賞球…7&15
★ドットデジタルの図柄…左右ともに「2~7」の数字
★当選図柄…「33」or「77」
★デジタル確率…1/32(2回目権利中は1/3.2にアップ)
★役物回転体の振り分けアリ…振り分け率=1/6
★継続ラウンド数…16Ror8R(ランプ(デジタル)によるR振り分け抽選アリ)
★出玉…約2300~4700個(継続R数により変化)
(ゲーム性)
(1)デジタル下の「START」と書かれたヘソチャッカー入賞で、2桁デジタル(保留4個付)が変動。
(2)左デジタルに3または7が止まるとリーチ。リーチアクションにはノーマル、ロング、コマ送りの3種類がある。ロング発展時は、一旦停止したデジタルが再度動き出す「2段階アクション」もある。
(3)デジタルに「33」又は「77」が出ると、天下の「OPEN」と書かれた電チューが、5.6秒or6個入賞まで開放。
(4)電チューに拾われた玉は、そのまま真下のメイン役物に入賞する。
(5)メイン役物内には、手にホウキを持ったコミカルなメガネ爺さんがいる。また、爺さんの右側には、水平回転するルーレットタイプの「6穴回転体」がある。
(6)役物に入った玉のうち、1個のみが爺さんの足元に貯留される。通常、最初に役物に入った玉が貯留される仕組みである。
(7)貯留完了後、爺さんが「レレレのおじさん」よろしく、ホウキを使って足元の貯留玉を右方向に弾き出す。ホウキに弾かれた玉は、右側の回転体目がけて真っ直ぐ進む。
(8)回転体には6つの穴があり、1つがV穴で、5つがハズレ穴となっている。爺さんの弾いた玉が回転体のV穴に巧く収まれば、権利発生となる。
(9)回転体V穴に入賞させるには、爺さんが玉を弾くタイミングと回転体V穴の周期が、ピッタリ合わなければならない。但し、デジタルの変動時間が一定でなく、また回転体の速度も速かった為、止め打ちで意図的にV穴を狙う事は「不可能」とされた。
(10)権利発生後、メインヤクモノ下の「LUCKY NO.1 2 3 4 5」と書かれたランプ(デジタル)が変動を開始(ラウンド数の振り分け抽選)。
(11)ランプが「1、3、5」の奇数で停止すれば16ラウンド継続、「2、4」の偶数で停止なら8ラウンド継続となる。
(12)ラウンド振り分け率は、16R継続が3/5(60%)、8R継続が2/5(40%)で、表面上の確率と同じ。
(13)権利消化中は右打ち。右上の回転体と下段中央アタッカーの連動で出玉を稼ぐ。
(14)16Rの出玉は約2400個。一方、8Rの出玉は約1200個と半減。
(15)1回目の権利終了後は、通常打ちに戻して2回目の権利獲得を目指す。
(16)2回目は、デジタル確率が1/3.2と通常時の10倍アップしており、天下の電チューが頻繁に開いて役物に入賞する。回転体の1/6振り分けさえクリアすれば、権利獲得は容易。
(17)但し、2回目の権利獲得時も、16R/8Rの「ラウンド振り分け抽選」がある。
(18)計2回の権利消化で、最大出玉は「16R-16R」の約4700個、次いで「16R-8R/8R-16R」の約3500個、最も出玉が少ないのが「8R-8R」の約2300個となっている。
(19)なお、デジタルの意図的な連チャン性はなく、純粋なノーマル機である。
ご覧のように、本機は「ドットデジタル」、「電チュー」、役物の「人形」と「回転体」、そしてR抽選用の「ルーレットランプ」という具合に、幾つものプロセスを経て最終的な大当りに辿りつく仕様だ。「デジタル」と「アナログ」を融合させた、独特なゲーム性が特徴。
また、2回権利でありながら、ラウンド抽選という打ち手の「ヒキ」次第で、出玉が大きく変動した。
こうやって振り返ると、本機は十分に打ち手を堪能させるスペックを有し、ホールで人気が出てもおかしくなかったが、最大の難点は「設置の少なさ」であった。源さんやモンスターハウスなどCR主流の当時にあって、ホールで超マイナーだった本機と対峙した人は、非常に幸運だったと思う(千葉・習志野市「パーラーツダヌマ」などに設置)。
因みに、「人形が、足元の貯留玉を右方向にポンと弾いて、回転体のV穴に入れる」という役物内の動きは、1994年にニューギンから出た新要件ハネモノ「レディースオープンED」なんかを想起させる。また、回転体はないものの「人形が足元の玉を弾く」というアクション自体は、西陣の一般電役「CRビックリパット」(1995年)をも彷彿とさせる。
京楽が、他社の先行機種のアイディアを本機で「再利用」したのか…と思いきや、実際は全く違う。
実は、本機の役物は、「レディースオープン」よりもさらに昔の1992年秋、京楽自身が出した2回権利物「スーパーゴルフ3」がベースになっているのだ。むしろ、この類の役物のオリジナルは、京楽の方である。
「スーパーゴルフ3」は、文字通り「ゴルフ」がモチーフだったが、役物内のゴルファーがパターを使って、足元に貯留された玉を6つ穴回転体にポンと転がす動きは、見事に本機と共通していた。
また、2桁デジタル当選で天下の電チューが一定時間開放し、電チューに拾われた玉が役物に入賞する点も、全く同じであった。
但し、「スーパーゴルフ3」はデジタル確率が1/172と低い分、6つ穴回転体はあっても「振り分け」がなく、6つあるどの穴に入っても権利発生するようになっていた(あくまでデジタルメインであり、回転体は飾りに過ぎない)。また、権利発生後のラウンド振り分けもなかった為、2回権利で約4400個と、コチラは常に「一発台」並みの大量出玉が期待できた。
いずれにせよ、本機のヤクモノ構造は、決してニューギンや西陣等の「焼き直し」ではなく、過去の自社機種をコミカルかつゲーム性豊かにアレンジした、京楽の「創作」である事は疑いない。
★追記★(2014.3.21)
・えむさん、コメント有難うございます。
2014-03-21 19:51:38 えむ
「やり方がわからん台結構ありましたね
三洋のデジタルが揃うと5,6秒(だったかな)電ちゅー開いて入賞すると誘導電チュー開いて一発台のようになる奴は小当たりで0.5秒だったかな開くんだけどそれで入って大当たりした・・・隣で打ってたおっさん大当たり即右打ちしちゃってパンクしてた」
※誠に申し訳ありませんが、外部サイトのURL(リンク先)を併記したコメントにつきましては、当ブログの方針として、全てコメント公開を見合わせております(同様のコメントを頂いた方には、逐一このような対応をとっております)。今回は、頂戴したコメントの前半部分を、「追記」の形で公開させて頂きました。どうぞご了承下さい。
ちなみに、お話頂いた三洋のデジタル一発台(電役)については、1988年の「エンパイア」という機種が思い当たるのですが、如何でしょうか。盤面下の3桁デジタルに「333」「777」が出ると、天下の電チューが5.9秒開放。また、左・中が「77」のゾロ目で小当りとなり、天下電チューが0.2秒開放します。デジタル左右にも電チューがあり、デジタル上には2回開きチューリップがあります。仰る通り、小当りからでも一発決まるチャンスがあった台ですね。画像をアップしましたので、ご確認下さい。
三洋のデジタル式一発台(電役)「エンパイア」(1988年)