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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ゴールデンバレリーナ(平和、権利物)

2014-06-22 01:03:56 | 権利モノ

今回は、1993年(平成5年)登場の2回権利物「ゴールデンバレリーナ」について。
(賞球7&15、デジタル確率1/8、出玉約4400個だが、2回目権利時の展開次第で増減)

ヤクモノ回転盤とデジタルの振り分けを使った、平和の新要件権利モノ「バレリーナ」シリーズ。初代「バレリーナ」(91年登場)に始まり、後続機「ニューバレリーナ」(92年登場、I橋T也プロの著作中「役物の動きに改善が加えられた」との説明がある一方で、「単なるセル違い」との意見も多い)、CR版「CRバレリーナ」(93年登場、設置少なめ)、そして本機と、4代にわたってファンを魅了し続けた「定番機種」である。
(2007年にも後継機が出たが、当ブログの「守備範囲外」なので触れない)


本機の販売開始は1993年末。翌94年1月から本格的に設置を伸ばし始めた。首都圏での設置率も極めて高く、繁華街のホール密集地帯に出向けば、とりあえず一、二軒は本機を入れていた為、ご記憶の方も多いだろう。攻略誌の人気アンケートでも上位をキープした、大ヒット台である。

当時のマイホ新宿では、東南口の「平和」、スタジオアルタ裏の「モナコ」、ヨドバシ本店そばの「アラジン」など、各所で設置されていた。勝率は正直「微妙」だったが、勝ったり負けたりしながら、あのエリアを徘徊するのが実に楽しかった。



(ゴールデンバレリーナのゲーム性)

あらためて紹介するまでもないだろうが、本機のゲーム性を簡単に振り返る。




権利獲得の為には、
(1)中央役物に玉を入れる。
(2)回転盤のV穴入賞で、デジタルランプ(1~8)が始動。
(3)デジタルが「5~8」で止まると大当り。
(4)デジタル当選後、盤面左下の権利アタッカーVゾーンに玉を入れる(権利発生)

という4つの関門をくぐる必要があった。それでは、もう少し細かく追って行こう。


(通常時)

ヤクモノ内の女の子は、約6.4秒周期で時計方向に回り続けている。

女の子の足元は水平回転盤になっていて、盤上には9個の穴がある。

V穴は、ハズレ穴を1個挟んで両側に1個づつ、計2つある。残りの7つはハズレ穴。

左サイドの入賞口から役物に飛び込んだ玉は、回転盤の周りをクルクル回ってから、何れかの穴に入る(ほとんど回らず、ダイレクトで穴に飛び込む事もある)。

玉の回転方向は、ヤクモノ上部の振り分けにより、ほぼ「時計回り」となる(まれに「反時計回り」になるケースもある)。

また、回転盤の動きにも特徴があり、V穴が回転盤の手前側(3時~6時~9時のゾーン)を移動中は「高速」で、回転盤の奥側(9時~12時~3時のゾーン)を移動中は「低速」で動く。

ヤクモノ内の玉は、基本的に回転盤の「手前側」で穴に入り易い。しかし、このゾーンはV穴が高速移動するので、Vには拾われにくい。これが、本機のV穴入賞率を大きく下げた要因だ。

ただし、V穴入賞率は、台の「クセ」「ネカセ」次第で差が付いた。ネカセが弱いと、回転盤を周回する時間が長くなり、しかも回転盤の奥(V穴が低速移動)で穴に入り易かった為、必然的にV入賞率もアップした。

逆に、判で押したようにキッチリ回転盤の手前(6時付近)で穴に落ちる台は、なかなかVに入らず、デジタルが回りづらかった。ネカセがキツイほど、手前側で穴に落ちやすく、V入賞率も悪化した。

また、台のクセ次第では、「止め打ち」の効果も見込めた。回転盤が高速回転に切り替わった直後に4、5発打ち出す、というパターンを繰り返すと、投資金額の大幅な節約になる場合があった。その一方で、ヤクモノ内に多くの玉を入れて「玉突き」を起こすと、デジタルがよく回るケースもあって、止め打ちするか否かは、臨機応変な対応が求められた。

なお、V穴入賞率をアップさせる方法として、台の「ドツキ」が横行した。確かに、タイミング良くドツけばV入賞率は大きく上がったが、個人的には過去の「ジャスティ」や「サンダードラゴン」でドツキに対する罪悪感※が増大していて、それ以降はドツくことを極力嫌った。店内アナウンスや貼り紙でも「ドツキ禁止」としていたが、そんな事など意に介さず、ガンガンドツキまくる輩も多かった。まぁ、人それぞれであろう…。

※余談だが、かの飛鳥一平氏が「大下洋一」名義で必勝G誌に出た頃(1991年)、彼が誌上で語った1つのエピソードが、「不正」に対する戒めとして、私の心に刻まれている。

彼がLNの持ち玉でデジパチ(ルーキーデルタ@西陣)を打っていた折に、交換ナンバーで当ったにも拘らず、店員がLN札を取り外し忘れた。普通ならば、「ラッキー」とばかりにそのまま持ち玉で打ち続けるところ、飛鳥(大下)氏は店員にその事を正直に「自己申告」して、出玉を全てレシートに交換したのだ。「バカ正直」と思われるかもしれないが、私には、この話が一服の清涼剤のように心に沁みた。どんな細かい事でも、「不正」をしない事が氏の「誇り」であったという…。



さて、うまく回転盤のV穴に入ると、バレリーナ下のデジタルランプが変動を開始する。

ランプは「1~8」の8つで、左の青いゾーン(1~4)がハズレ、右のピンクゾーン(5~8)が大当りとなっていた。

表面上「1/2」で当りそうなデジタルだが、なんと内部確率は「1/8」だった。これほど見かけと実際の確率が違うと「詐欺」「インチキ」と揶揄されそうだが、実際そういう批判も多かった。

※大当たり判定方式
大当り判定カウンターの移行範囲は「0~79」の80コマ。通常時の大当り値は「0~9」の10コマ。よって、デジタルの大当り確率は10/80=1/8となる。


なお、デジタル当選後にすぐ右打ちすると、パンクしてしまう。権利発生には、左下の権利アタッカーVゾーンに玉を入れる事が必要。



(大当り中)

権利発生後は右打ちに切り替える。右回転体と、その下のアタッカーの連動で、出玉を増やす。継続ラウンド数は16R。大当り中のBGMは「ビビデバビデブー」(アタッカー閉鎖時)、「イッツア・スモール・ワールド」(アタッカー開放時)。



(2回目権利時)

2回目権利時は、回転盤の移動速度、及びヤクモノ内の玉の回転方向が、通常時と逆転する。

つまり、回転盤は「Vが手前にいる時は低速、奥にいる時は高速」となり、ヤクモノ内の玉も回転盤の周りを「反時計方向」に動くようになる(まれに時計回りになる)。

こうなると、回転盤と玉の進行方向が互い違いになり、しかも穴に入り易い回転盤の「手前」をVが低速で動くので、通常時よりもV穴入賞率がアップして、デジタルが回り易くなる。初代バレリーナでは2回目権利時の「玉減り」が問題視されたが、その改善策がこうした動きの変化だった。

ただ、これはあくまで「原則」で、実際は原則通りにいかない場合も多かった。通常時にデジタルがよく回る「クセ良台」が、2回目権利時になると極度の「クセ悪台」へ変貌する事もあった。

たとえば、ネカセが浅く、回転盤の奥側で穴に入り易い台は、通常時デジタルが良く回って有利となるが、2回目権利時に回転盤の速度が切り替わった途端、V入賞率が一気に下がってデジタルがサッパリ回らずに、出玉が削られる現象が起きた。権利中にデジタル始動をサポートするハズの機能が、却って不利に働いてしまった訳だ。この辺りに、一筋縄ではいかない本機の難しさがあった。



但し、2回目権利時のデジタル確率は「77/80」にアップしており、デジタルさえ回れば、権利発生は容易だった。デジタル当選後に、権利アタッカーVゾーンへの入賞が必要な事は、いうまでもない。

※2回目権利時のデジタル当選確率
大当り判定カウンターは「0~79」の80コマのままだが、、大当り値は「0~76」の77コマに増える。よって、2回目権利時のデジタル当選率は77/80となる。



(権利終了後)

本機の場合、権利終了後メインデジタルが3回転するまでの間、回転盤の動きと玉の回転方向が、2回目権利時と同じままになる。すなわち、この3回転が「チャンスゾーン」であり、再度の権利獲得の期待が膨らんだ。4000発の出玉が早めにダブれば、気持ち良い事この上ない。

この時、最初の1、2回転目は止め打ちでデジタルを確実に「単発回し」して、逆に3回転目だけは連続打ちで、できるだけ多くの玉を役物に入賞させると、チャンスゾーンと保留ランプの有効活用により、デジタルをより多く回すことができた。




※おまけ

90年代「バレリーナ」シリーズ、役物(人形)の変遷


(初代「バレリーナ」「ニューバレリーナ」
・女の子の顔の描き方がラフだが、かえって「パチンコの役物らしさ」が強調されていた。
・モチーフはクラシックバレエで、「右手を真上、左手を水平」の独特なポーズが印象的。両足を地に付けて、クルクルと回り続けていた。
・抽選ランプは「1~8」の8つで、「4~8」の5つで止まれば大当り。一見すると8/5で当り易そうだが、内部確率は1/5と低くなっていた。




(CRバレリーナ)
・女の子の表情が初代と異なり、ポージングも「片足立ち&両手を水平」の姿勢に変わった。
・モチーフは「クラシックバレエ」から「アイススケート(アイスショー)」に変わった。
・衣装のカラーも「赤と黄緑」に一新。女の子はスケートシューズを履いている。
・回転盤のV穴入賞後、デジタルが「4」で停止すると通常大当り、「5」なら確変(共に16R)。
・通常/確変の振分けは1:1で、確変ループ有り。ランプが「1~3」「6~8」停止だとハズレ。
・盤面右にアタッカー開放用の回転体を採用。初代の欠点だった「ラウンドロス」対策。
・入賞口付近に「デジタル用保留ランプ」と「LN用ランプ(「1~7」)」を新たに設けた。

※CRバレリーナのデジタル当選確率(設定差有。変動時は「ほぼ」100%当る)
設定1=1/6.3(変動時=189/190)
設定2=1/7.0(変動時=210/211)
設定3=1/7.9(変動時=236/237)

・LN用ランプの振り分けは、均等に各1/7。


・回転盤の動きは、確変時⇒2回目権利時と置き換えれば、ゴールデンバレリーナと同じ。
・残念ながら設置は少なかったが、東京・成増「ミリオン7号店」などに設置。





(ゴールデンバレリーナ)
基本的に、CRバレリーナとほぼ同じ役物を使用。ヤクモノの特徴も共通。但し、女の子の目元が少し柔和(タレ目)に変わっている(CR版は目元が凛々しいというか、キツい)。

当時、ゴールデンバレリーナは「権利消化後に出玉交換」の店が主流だったが、中にはLNランプを活用して、「3・7で当ると、4・6まで連続遊戯可」などとするホールもあった。また、1回目権利が終わると出玉交換させる「完全1回交換」の店や、4回当てるまで連続遊戯できる変則営業を行う店などもあった。


※追記(2014.6.23)
初代バレリーナが「クラッシックバレエ」だったのに対し、CRバレリーナとゴールデンバレリーナが「アイススケート」をモチーフにしたのは、当時の「時代背景」が絡んでいたように思われる。本機登場から間もない翌1994年2月、ノルウェー・リレハンメルで冬季オリンピックが開催された。アメリカ女子フィギュアスケートのケリガンとハーディング(襲撃事件など)が世間で大きな話題になった五輪でもある。こうした女子フィギュア人気による「相乗効果」を狙った意味合いが強いのではないか。そういえば、「ゴールデン」の名称も五輪の「金メダル」を彷彿とさせる。
(追記ここまで)