1996年(平成8年)11月にまさむらから登場した現金機デジパチ「マジカルチェイサー3」
(新セル)
(大当り時の「ビンゴー!」画面)
言うまでもなく、90年代後半にホールを席巻した人気機種で、各地で息の長い活躍を見せた。良心的な大当り確率と高い時短突入率により、ツボにはまった時の爆発力は一級品。個人的にも相性は良く、500円投資で初当りを引き、そのままドル箱を積みあげた経験も多い。様々なホールで本機と対峙したが、登戸駅前の「玉の家」などが、特に勝率の良かった店として記憶に残る。
(小田急線・登戸駅前「玉の家」…再開発により既に閉店。マジチェは1Fの自動ドアを入って目の前のシマにあった。)
時短中の止め打ちといった技術介入性があり、多彩な予告やリーチなど演出面の完成度も高く、飽きの来ない作りになっていた。ただ、大当り中のラウンド画面だけは、やや「手抜き」な感じもしたが…。
これは全くの余談だが、タモリがストーリーテラーを務める某・「奇妙」系ミステリードラマの90年代後半の回で、本機が登場したことがある。
親切すぎる若者が、他人を助けるうちに自分にも幸運が次々と舞い込み、次第に金持ちになっていく話。そのワンシーンで、迷子で泣いている子供に出会った若者が、その子の親を探しているうち、一軒のパチンコ屋を見つける。中に入ると、そこに子供の父親がいて、親子は無事に再会を果たす。喜んだ父親は、お礼として、自分がやっていた台を「絶対出るから」と若者に譲ろうとするが、若者は「お金もないし…」と拒む。しかし、父親は無理やり若者を台に座らせると、その台が大爆裂してドル箱を重ね、景品を山ほどゲットする…。
実は、この場面で使われたデジパチこそ、「マジカルチェイサー3」なのであった。今更感の強い情報だが、機会があれば「90年代ドラマとパチンコ」のネタとしても、取り上げてみたい。
(スペック)
★大当り確率…1/227
★賞球…6&13
★出玉…約2100個(16ラウンド継続)
★大当り図柄…0~9、獅子、カギ、ラクダ、剣、コブラ(全15種)
★時短機能搭載…図柄は不問。大当り後の抽選演出で、時短回数(全4パターン)を表示
・「000」=時短なし 「50」=時短50回 「100」=時短100回 「$$$」=次回まで時短
・選択率…「000」「100」「$$$」は各1/5、「50」のみ2/5
・時短突入率…4/5=80%
・時短連チャン率…50回=19.8%、100回=35.7%、次回=100%
・トータルでの時短連チャン率…35.9%(約38%との情報もあり)
・「000」で一旦停止後、再始動すれば「100」か「$$$」に格上げされる。
・時短中も、小デジタル変動時間は通常時と同じなので、止め打ち効果は非常に高い(それゆえ、止め打ち禁止のホールもあった)。電チュー開放時間が6秒と長く、小デジに奇数が出てから打ち出しても間に合う。ハマればハマるほど玉が増えるので、「$$$」中の大ハマリなどは逆に美味しかった。
・小デジタル当選率…常に1/2(小デジに奇数が出ると当り)
・小デジタル変動時間…常に約6秒
・電チュー開放時間…通常時0.5秒、時短時5.5秒(or3個入賞)
★予告・リーチアクションについて
(1)予告
・右デジタルスベリ…左停止出目に対しマイナス5コマから、右デジタルが「ツルツルッ」と滑るアクション。スベリ発生時の51.6%でリーチとなるが、残りはガセスベリとなる。大当り信頼度に影響のない単なる演出。
・画面フラッシュ…保留点灯時限定で、左・中デジタルが同一出目で停止後、画面がピカピカと白くフラッシュして、画面上下のランプが回転する。これは仕込まれた前兆アクションで、大当り乱数を引いた場合に、既に点灯中の保留が書き換えられる事で発生する。書き換え率は各保留ごとに6/11で、全保留が一括で書き換えられる訳ではない。その為、リーチまでフラッシュが連続する事もあれば、前兆がいったん途切れる事もある。なお、通常時の連続回転中にも、左・中ゾロ目の時にフラッシュが起きるが、こちらはガセ演出。「本前兆か、ガセか」との期待感を常に持たせる、絶妙な演出だったといえる。
・ランプ回転…画面フラッシュ時とは別に、デジタル変動中に、画面上下のランプが定期的に回転するが(原則、デジタル8回転周期)、こちらは単なる演出に過ぎない。
・顔予告…非常にアツい演出。リーチが掛かった瞬間、画面の四隅に男の子(ラシード)と女の子(シャーナ)の顔が一瞬だけ出現する。空飛ぶじゅうたん系リーチへの発展が確定し、リーチ信頼度も大幅にアップ(後述)。
顔予告…右上と左下にラシード(男)、左上と右下にシャーナ(女)が出現。
(2)リーチアクション(カッコ内の数字はリーチ信頼度)
(a)ノーマル(0.97%)…左・右テンパイ後、中デジタルが上⇒下にスクロール。ほぼハズレだが、まれにピタッと当る事あり。なお、「$$$」の時短中はハズレリーチが全カットされるので、たとえノーマルでも発生すれば大当り確定となる。
(b)スロー(14.23%)…リーチ突入後、中デジが超・スロー回転に切り替わり、画面上下のランプが反転する。前後一コマで一旦ハズレた後、中デジが再始動すれば大当り確定。
(c)停止図柄予告(14.23%)…中デジタル一旦停止後、画面右下にキャラ登場。リーチ絵柄に応じて、「偶数」「奇数」「絵柄」のいずれかを予告する。発展後は、予告図柄のみが止まる「コマ送り」アクションに切り替わる。偶数時は男の子(ラシード)、奇数時は女の子(シャーナ)、絵柄時も女の子(踊り子に扮したシャーナ)が登場。予告ごとに信頼度が異なり、絵柄予告が最も信頼できる。
(d)盗賊出現(0%)…リーチ直後に、画面右下から宝を担いだ盗賊が出てきて左へ逃げ去る。このままでは絶対に当らないクソリーチだが、ラシード達が「空飛ぶじゅうたん」で盗賊を追いかければ、信頼度の高い「空飛ぶじゅうたん系」リーチに発展する。
(e)空飛ぶじゅうたん・落下(6.22%)…じゅうたん系の中で、信頼度がもっとも低い。ラシード達がじゅうたんで盗賊を追跡するが、画面中央でじゅうたんが落下。落下演出に切り替わると、じゅうたんから絵柄が次々飛び出して、下⇒上に絵柄がスクロールする。中デジが一旦ハズれた後、再始動すれば大当り確定。
(f)空飛ぶじゅうたん・落下+顔予告(49.89%)…顔予告からの落下リーチは、信頼度が約8倍に大幅アップ。中デジタルは、大当りor前後1コマでしか停止しない。
(g)空飛ぶじゅうたん・飛行(49.89%)…じゅうたんが途中で落下せず画面を縦断すると、崖の間をじゅうたんが飛行する演出に切り替わり、図柄が下⇒上にスクロールする。中デジタルが一旦ハズれた後、再始動すれば大当り確定となる。
(h)空飛ぶじゅうたん・飛行+顔予告(66.57%)…顔予告を伴う飛行リーチは、信頼度が約33.5%アップ。この時も「落下+顔予告」と同様、大当りor前後1コマで停止。
★大当り時の各リーチ選択率(メーカー発表値)…図柄予告=3/11、じゅうたん落下(顔予告含む)=3/11、じゅうたん飛行(顔予告含む)=3/11、スロー=1/11、それ以外のノーマル系=1/11
僕は交換率が安い店で打っていたので辛かった記憶ないのが良い所です。
緩くて良い時代でした(遠い目)
時短中に玉が増えると言えば、三星のトリプルキングも好きでした。