□ 文献紹介:リンゴなどにあるケルセチンでインフルエンザ予防
アメリカ、サウスカロライナ大学の研究チームは、動物実験から
リンゴ、ブドウなどの果物に含まれるポリフェノールの一種である
ケルセチンがインフルエンザの罹患リスクを低下させると「アメリ
カ生理学雑誌-調節、統合及び比較生理学」に発表しました。
マウスを用いた研究から、身体に負担のかかる運動をするとイン
フルエンザにかかりやすくなることが分かりました。また、激しい
運動をして疲労したマウスは、運動をしなかったマウスよりインフ
ルエンザの発症率が高くなりました、
次に、運動させたマウスと運動しなかったマウスにケルセチンを
与えたところインフルエンザの発症率は同じでした。このことは、
疲労していてもケルセチンを摂取すればインフルエンザにかかりに
くいことを示しています。さらに、ケルセチンを摂取し、運動しな
かったマウスを運動させてもインフルエンザにかかりにくくなるこ
とが分かりました。
以上の結果から、リンゴやブドウなどに含まれているケルセチン
にはインフルエンザに対する予防効果があると研究者らは考えてい
ます。
【文献】
Davis, J. M. et al.: Quercetin reduces susceptibility to influenza
infection following stressful exercise. Am. J. Physiol. Regul.
Integr. Comp. Physiol. 295: R505-R509. (2008) [doi:
10.1152/ajpregu.90319.2008]