□ リポフル閑談:毎日くだものを沢山食べようの科学的根拠
リ ポ:皆さんこんにちは。今日の話題は「毎日くだものを沢山
食べようの科学的根拠」です。フルッタさん、よろしく
お願いします。
フルッタ:よろしくお願いします。毎日の食事を楽しみながら健康
を維持することができたらの願いから、私たちは、毎日
くだものを200グラム以上摂取することを勧めています。
リ ポ:今の食事に果物を加えるということですか。
フルッタ:そうではありません、健康を維持・増進するためには栄
養バランスの良い食事の摂取が必要です。
リ ポ:栄養バランスの良い食事とはどんな食事ですか。
フルッタ:食事バランスガイドやDASH食事摂取プラン、フードガイ
ドピラミッドなどです。
リ ポ:果物だけ食べていれば良いというわけではないのですね。
フルッタ:その通りです。野菜の摂取不足はよく知られていますが、
果物の摂取量は目標200グラムの6割程度で、野菜よ
りも不足しています。
リ ポ:だから果物を沢山たべる事を勧めているのですね。果物
を食べるとどんな効果が期待できるのですか。
フルッタ:果物をたくさん摂取すると、ガン、高血圧、心臓病など
の生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防に効果
があります。
例えば、世界中のガン研究の専門家が、ガンに及ぼす要
因について調査した結果、ガン予防には禁煙とともに、
果物と野菜を多く摂取しなさいと勧告しました。
リ ポ:科学的根拠から果物の摂取がガン予防に有効と言うこと
ですね。
フルッタ:はい。そのため、アメリカでは、果物と野菜を毎日400g
以上摂取する食習慣改善運動が、1991年から始められま
した。
その結果、ガンによる死亡率が1993年をピークとして減
りはじめました。その後、罹患率も減少に転じ、2003年
には死亡者の絶対数も減少しました。そのため、この食
生活改善運動はアメリカで最も成功した健康施策である
と高く評価されています。
リ ポ:すごい成果ですね。日本ではどうですか。
フルッタ:残念ながら、死亡率、罹患率、絶対数ともに増加中です。
現在、アメリカでは運動の成功を受けて、果物と野菜の
摂取量を5から13サービング摂取することを勧めています。
13サービングの半分を果物から摂取すると、リンゴなら
毎日3個くらい、ミカンなら6個くらいです。
リ ポ:すごい量ですね。
フルッタ:はい、そのため果物だけを増やすのではなく、食習慣を
もう一度見直す必要があります。
リ ポ:食習慣を変更すれば、無理なく沢山の果物を食べられる
わけですね。
フルッタ:そうです。それが重要なポイントです。高血圧や心臓病、
脳卒中予防のためのDASH食事摂取プランと呼ばれている
食事摂取ガイドでは毎日、リンゴを3~3.5個、ミカン
なら6~8個食べることを勧めています。
リ ポ:健康には果物を食べる習慣からですね。
フルッタ:その通りです。こうした研究成果、実績を受け、私たち
は生活習慣病を予防して健康的な生活を送るためには、
日本でも毎日、果物を少なくとも200g以上摂取すること
が望ましいと考えています。
リ ポ:でも、果物を食べると太りますよね。
フルッタ:我が国には果物にまつわる誤解が多く存在しています。
その一つが果物を食べると太るです。100g当たりのリン
ゴのカロリーは54kcalですが、ゴボウのカロリーは65kcal
です。それだけではありません。果物を食べると満腹感
が得られるので自然と食べる量が減り、ダイエットに効
果的です。
リ ポ:そうなんですか。でも、糖尿病になったら果物は食べて
はいけないと聞いたことがありますよ。
フルッタ:それも誤解の一つです。糖尿病になっても、果物を毎日
必ず80kcal摂取することが勧められています。この量は
おおよそ200グラムになります。また、アメリカの糖
尿病学会ではさらに多くの果物の摂取を推奨しています。
リ ポ:知りませんでした。果物は美味しいだけでなく、生活習
慣病やメタボリックシンドロームの予防にも効果がある
のですね。フルッタさん、ありがとうございました。
皆さん、クリスマスやお正月にはリンゴやミカンを沢山
食べましょう。