□ リポフル閑談:脳卒中予防と果物
リ ポ:皆さん今日は。寒くなってきましたね。果物食べてます
か。今日の話題は、「脳卒中予防と果物」です。フルッ
タさん、よろしくお願いします。
フルッタ:リポさん、よろしくお願いします。脳卒中は、ガン、心
臓病に次いで死亡率の高い病気です。脳卒中は、脳の動
脈が詰まったり、破裂したりして、脳組織が壊死する病
気です。人を対象とした研究から果物を沢山食べている
と脳卒中のリスクが下がることが分かりました。
リ ポ:果物を食べていると脳卒中のリスクは、どのくらい下が
るのですか。
フルッタ:フィンランドで男女約1万人を対象に、15年間、追跡調
査を行った結果、リンゴの摂取量が多い人は、脳卒中の
リスクが男性で41%、女性で39%低いと報告されていま
す。
リ ポ:リンゴってすごいですね。
フルッタ:アメリカで行われた研究では、果物と野菜を沢山食べて
いる人は、脳卒中のリスクが低いと報告されています。
脳卒中のリスクが最も低かった人の果物と野菜の摂取量
は、男性で10サービング、女性で9サービングでした。
1サービングは、おおよそ握り拳1個分です。
リ ポ:10サービングとはどれくらいですか。
フルッタ:すべてをリンゴに換算すると5個位、ミカンなら10個位
です。果物を相当量食べていることになります。
リ ポ:果物を食べるといいのですね。果物好きには美味しい情
報ですね。
フルッタ:そうです。沢山食べられない場合でも、毎日、リンゴ半
分かミカン1個食べるだけでも脳卒中のリスクが約6%減
少することも分かりました。
リ ポ:リンゴ半分食べるだけでも効果があるのですか。
フルッタ:はい。一方、食塩の摂取量が多いと脳卒中のリスクが高
まります。臨床研究から、食塩の摂取と血圧との関係は
累進的なので、できる限り食塩の摂取量を下げる必要が
あります。
リ ポ:食塩のとりすぎは良くないですよね。
フルッタ:食塩とは逆に、カリウムの摂取量が多いと脳卒中のリス
クが下がります。カリウムは、食塩による血圧上昇を抑
制する効果があります。アメリカ脳卒中学会では、食塩
を1日当たり5.8g未満に抑え、カリウムを4.7g以上摂取
することを推奨しています。
リ ポ:食塩を減らしてカリウムを多く摂ればよいのですね。
フルッタ:その通りです。脳卒中の予防には、果物、野菜、低脂肪
の乳製品などの摂取量を増やし、総脂肪と飽和脂肪酸の
少ない食事にすることが推奨されています。
リ ポ:日本はどうですか。
フルッタ:アメリカやフィンランドなどと同様に、日本でも食塩の
摂取量が多く、カリウムの摂取量が少ないことが明らか
となっています。食塩を含まず、カリウムの豊富な食品
の代表は、リンゴなどの果物です。
リ ポ:そうすると、料理の味付けで、食塩を減らして香酸カン
キツ(ユズやカボス、スダチなど)をうまく使うと脳卒
中予防に良いわけですね。
フルッタ:それは重要なポイントの一つです。我が国の現状から考
えると、脳卒中予防にはもっと果物の摂取量を増やす必
要があります。
リ ポ:脳卒中予防には果物が良いと言うことですね。フルッタ
さん、ありがとうございました。
皆さん。旬のリンゴやミカン、カキは美味しいだけでな
く、脳卒中予防にも効果がありますよ。