<夜行急行「はまなす」>乗ってみた
3月21日ラストラン
毎日新聞 3月13日(日)11時30分配信
<夜行急行「はまなす」>乗ってみた 21日ラストラン
【写真1】
JR札幌駅に入線した急行はまなす
=同駅で2016年3月11日午後9時44分、小川祐希撮影
2016年3月26日の北海道新幹線(新青森-新函館北斗)開業に伴い、
札幌-青森間の約480キロを結ぶ
JR北海道の夜行急行「はまなす」が廃止される。
JR各社で唯一の定期急行で、
ブルートレイン型の青い寝台車を使用している最後の列車。
「旅のおもしろみが無くなってしまう」。
乗車してみると、残り少ない運行を惜しむ乗客で混雑していた。
【小川祐希】
11日午後9時40分ごろ、JR札幌駅。
ディーゼル機関車で10両編成の列車が入線した=写真(1)。
青い塗装がはがれ、くたびれた車体。
JR北によると昨年9月の廃止発表後、
平均予約率は1割増えて約6割に。
この日は、金曜の夜のためか、予約でほぼ満席だった。
5号車に乗り込み、小さなボックス席が二つある
薄暗い照明のラウンジに腰掛けた。
8人が座ればいっぱいの小さな席に、
肩が触れ合うように座る。
「国鉄時代の雰囲気ですね」。
同席した鉄道友の会北海道支部長の
松居国男さん(74)がつぶやいた。
定刻の午後10時から2分遅れで発車し、
新札幌駅を過ぎたころ、スーツ姿の男性会社員(46)から
「普段は旭川に単身赴任。
1カ月ぶりに苫小牧の自宅に帰るんだよ」
と陽気な声が返ってきた。
はまなすは、室蘭方面への最終列車の役割もあり、
生活列車でもあった。
◇ ◇
東室蘭駅を過ぎ日付が変わる。
相変わらずラウンジは満席だ。
旅行中だった和歌山市の大学生、
寺坂浩杜(ひろと)さん(21)は、
はまなすの魅力を「さまざまな車両があって統一感がなく、
混沌(こんとん)として飽きないところ」と語る。
2段ベッドの寝台車や、
床に横になれる「カーペットカー」、
座席を145度まで倒せる「ドリームカー」
などが連結されている。
札幌市北区の大河内陽子さん(45)は、
青森県を旅行するため夫と2人で乗車した。
「青函トンネルに新幹線が走るなんて考えもしなかった。
でも、新幹線は味気ないかな」
午前3時ごろ、函館駅で乗客が一斉に下車。
ディーゼル機関車から青函トンネル用の赤い電気機関車へ交代した。
50人以上が見守る。「ガシャン、と音がしたぞ」。
連結作業に興奮した客の声が聞こえた。
午前5時ごろ青函トンネルに入る。
自由席に戻り、座っていると、眠気が襲ってきた。
「お疲れ様でした。あと7分で終着、青森です」。
アナウンスで目が覚めた。
列車を降りると、神奈川県海老名市の男性(40)が
車両をバックに長男(6)の写真を撮っていた。
「乗せてあげられてよかった。
でも、廃止で旅行の選択肢が減ってしまう」。
乗客らが名残を惜しむようにシャッターを切る中、
列車は車庫へ引き揚げていった。
青函トンネルが開通した1988年3月から
28年間走り続けた「はまなす」。
最終運行は札幌発が20日、青森発が21日となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160313-00000016-mai-sociより
3月21日ラストラン
毎日新聞 3月13日(日)11時30分配信
<夜行急行「はまなす」>乗ってみた 21日ラストラン
【写真1】
JR札幌駅に入線した急行はまなす
=同駅で2016年3月11日午後9時44分、小川祐希撮影
2016年3月26日の北海道新幹線(新青森-新函館北斗)開業に伴い、
札幌-青森間の約480キロを結ぶ
JR北海道の夜行急行「はまなす」が廃止される。
JR各社で唯一の定期急行で、
ブルートレイン型の青い寝台車を使用している最後の列車。
「旅のおもしろみが無くなってしまう」。
乗車してみると、残り少ない運行を惜しむ乗客で混雑していた。
【小川祐希】
11日午後9時40分ごろ、JR札幌駅。
ディーゼル機関車で10両編成の列車が入線した=写真(1)。
青い塗装がはがれ、くたびれた車体。
JR北によると昨年9月の廃止発表後、
平均予約率は1割増えて約6割に。
この日は、金曜の夜のためか、予約でほぼ満席だった。
5号車に乗り込み、小さなボックス席が二つある
薄暗い照明のラウンジに腰掛けた。
8人が座ればいっぱいの小さな席に、
肩が触れ合うように座る。
「国鉄時代の雰囲気ですね」。
同席した鉄道友の会北海道支部長の
松居国男さん(74)がつぶやいた。
定刻の午後10時から2分遅れで発車し、
新札幌駅を過ぎたころ、スーツ姿の男性会社員(46)から
「普段は旭川に単身赴任。
1カ月ぶりに苫小牧の自宅に帰るんだよ」
と陽気な声が返ってきた。
はまなすは、室蘭方面への最終列車の役割もあり、
生活列車でもあった。
◇ ◇
東室蘭駅を過ぎ日付が変わる。
相変わらずラウンジは満席だ。
旅行中だった和歌山市の大学生、
寺坂浩杜(ひろと)さん(21)は、
はまなすの魅力を「さまざまな車両があって統一感がなく、
混沌(こんとん)として飽きないところ」と語る。
2段ベッドの寝台車や、
床に横になれる「カーペットカー」、
座席を145度まで倒せる「ドリームカー」
などが連結されている。
札幌市北区の大河内陽子さん(45)は、
青森県を旅行するため夫と2人で乗車した。
「青函トンネルに新幹線が走るなんて考えもしなかった。
でも、新幹線は味気ないかな」
午前3時ごろ、函館駅で乗客が一斉に下車。
ディーゼル機関車から青函トンネル用の赤い電気機関車へ交代した。
50人以上が見守る。「ガシャン、と音がしたぞ」。
連結作業に興奮した客の声が聞こえた。
午前5時ごろ青函トンネルに入る。
自由席に戻り、座っていると、眠気が襲ってきた。
「お疲れ様でした。あと7分で終着、青森です」。
アナウンスで目が覚めた。
列車を降りると、神奈川県海老名市の男性(40)が
車両をバックに長男(6)の写真を撮っていた。
「乗せてあげられてよかった。
でも、廃止で旅行の選択肢が減ってしまう」。
乗客らが名残を惜しむようにシャッターを切る中、
列車は車庫へ引き揚げていった。
青函トンネルが開通した1988年3月から
28年間走り続けた「はまなす」。
最終運行は札幌発が20日、青森発が21日となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160313-00000016-mai-sociより