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のほほん書斎(日高茂和)

(五島弁・番外編・思い出)魚ばこっくだはれ~

◆魚ばこっくだはれ・・・魚を買ってください
・・・・・・
行商に来ていた人の思い出があります。
「奥さーん、魚ばこっくだはれ~」と漁師町の奥さんたちがリヤカーに魚を積んで、一軒一軒声をかけながら回ってきていました。
今思うと、人力歩行による天秤棒をかついで様々な商品が売り歩かれていた「振り売り」の文化の発展形態だったようです。
高校生の時にはすでになくなっていたような気がします。かわりにトラックでの巡回販売が出てきていました。今のサオダケ売りや石焼き芋のように拡声器で宣伝していました。
「あーじー・さーばー・かつおー・きびなー。(間があって)などが入っております」
という、独特の抑揚での売り声は今でも忘れない。魚の名前の連呼から一呼吸おいての「などが入っております」にも特徴があって、モノマネがしやすかった。そのためか、同級生たちにも印象的だったようで何年たっても話題になる。
さすがに「戸別訪問」ではなく不特定多数に向けての拡声器では「こっくだはれ~」という、いくらか哀願の響きをただよわせた呼びかけはしていなかった。
独特の抑揚の「標準語」だった。

(見出し画像は友人提供のもので五島市福江沖)

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