お盆は福江で過ごした。
到着してからすぐに、歴史資料館の館長様のはからいで、過去の歴史講演会のレジュメを分けてもらえることになっていたので、さっそく取りに伺った。
歴史資料館は、福江藩五島家の城跡に建つ、私の母校である五島高校の、私が所属していた部活の部室があった場所の裏手にある。
西側の台場の石垣の下のお堀では、蓮が綺麗に咲いていた。
そして、二十年前の夏の日と変わらない、それはそれは大音響にして重層的な蝉の鳴き声。
一瞬にしてあの日にタイムスリップした。
思わず一句が口をついて湧き上がる。
時経れど石垣うがつ蝉しぐれ
主題は言うまでもなくタイムスリップ感だ。
十五日には、高校の同窓会もあった。
卒業以来はじめて参加した。
それぞれの人生がそれぞれの色を深く染めあげてきているが、皆のひたむきな生き
様は、あの日々と変わっていないのが伝わってきて嬉しかった。
男たちよ、女たちよ。また、会おう。
今度より、もっと落ち着いた、しなやかな獣となって。
俺たちには、野性味が、似あう。
青春なんていう言葉は、蹴っ飛ばしてしまおう。