のほほん書斎(日高茂和)

いんぎょ・印形(インギョウ)

生まれ育った土地から離れて暮らす人が誰しもそうではないのだろうけれども、私はしょっちゅう郷里である五島福江の言葉を思い出す。
今朝は同居していた祖母(明治二十八年生まれ)が「いんぎょ」と発音していたものを思い出した。
毎日何回も何回も押す印鑑だが、その印鑑のことを祖母はいんぎょと発音していた。
不思議な呼び方をするものだと、高一の時に霊山浄土へ見送ったあともその語感は謎めいたままだった。
三十を過ぎたころだったと思うが、読んでいた本のなかに印形(インギョウ)の字を見出して調べてみたら、印鑑の古語的表現だった。
祖母がその母や父たちから受け継いだ言葉は、江戸時代の空気だったのだなと思う。
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