溜飲が下がる思いとはこういう感覚だろうか。日ごろからモヤモヤと感じていることをスパーッと切れ味鮮やかに、とんとんっと歯切れよく語ってくれた本だった。私は「報道ステーション」というニュースは見ないが、この本はその番組についての話よりも日本人の情報リテラシーのお粗末さと放送をはじめとしたメディアの大衆にウケて儲けるからくりなどが、タブーに挑戦するがごとき勇猛さで解き明かされていた。読みながら、落語好きならご存知の「大工調べ」の主役の棟梁政五郎が、因業大家に喰らいかかる時の早口での長ぜりふを思い出した。 スカットした快書だった。あっぱれ!