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帰りのジェットフォイルからの光景である。
四月。別れと出会いの季節である。
転校生を見送るのか、子供たちが桟橋で、泣き出しそうな顔をして、盛んに送る友達に大きな声を贈っていた。
今でもそうだと思うが、甲板のある船での見送りには、五色の紙テープを船上の旅人と桟橋の送る人がもち、船が離れて、テープが途切れるまで伸びていくのが別れを惜しむ気持ちを形として表現する。せつなくも美しい習慣であり、景色である。
ジェットフォイルのような、窓も開かず、甲板もない船ではそれはできない。
この時季になると必ず思い出すことがある。
小学四年になるころ、転校するIを桟橋に見送った。
いつまでもいつまでも泣いて、桟橋に子供一人になった私の顔を覗き込み、意外そうに、また、新しい発見をしたという表情と声で私の名を呼んだK先生のことだ。
この日は、二人の子供が桟橋から防波堤の突端までかけてきて、見えなくなるまで見送っていた。
私も彼らの気持ちになって、見えなくなるまで彼らに目をやった。涙した。
映画のような光景だったが、現実の、まさに現実の物語だった。
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