固形派

私の入浴はシンプルでタオル一本石鹸一個　　

（拙作・ブログ歌集　「閑葉集」より）

まさにこの歌のとおりで、石鹸一個で頭も体も洗っている。
ただし、厳密には、髭剃りにはシェービング用の泡を使っているが、これは洗浄用ではないので見逃してくれ。

入浴時の、体を洗う石鹸には、固形派と液体派がいる。
いまどきは、ほとんどの日本人が液体派なのではないかと思うくらい、ボディーソープなる、あの、ヌルヌルした液体が普及している。
子供のなかには、固形石鹸を見たことがない子もいるかもしれない。
それぐらい、あのヌルヌルは普及している。

アタマを洗うのに、体を洗うのに使う固形石鹸を兼用で使っている人は、おそらく少数派であろう。小生の場合は、いわゆるスポーツ刈という刈り方で、坊主みたいなものだから、しなやかにする必要も、艶を出す必要もないので、じゅうぶんそれでこと足りている。
体はもちろん固形石鹸である。
固形を愛用するのは、液体商品特有の、流しても流してもいつまでもヌルヌルした感触がとれないのが気になるからである。
ひょっとしたら、憎きヌルヌルは、保湿成分とやらで、肌のためには良いのかもしれないが、小生には石鹸の成分が洗い落とせないで、乾いてから痒くなりそうな気がしてしかたがないのである。
したがって、小生は固形派である。手を洗うのも固形が好きだ。
コンパクトにして柔らかき光を放ち、芳香満ちること天上世界に居るがごとき気分を醸し出してくれる固形石鹸。
拙者は固形石鹸をこよなく愛すものである。

固形石鹸の売り場が縮小し、液体に席巻（笑うところです）されつつある昨今。一日に何回も使う固形石鹸に敬意を表し、賛辞を送るしだいである。