かなちゃんはベッキー{ゴールデンレトリーバー}とニコ{フレンチブルドッグかな?}と両親と一緒に住んでいる。
かなちゃんが日曜日に言っていた。
以前、犬の言葉が分かる人にベッキーが何を言っているかを聞いたことがあると。
中一から一緒に過ごすようになったベッキーはもう10歳ぐらいになると思うのだが、彼女はなんとかなちゃんを育ててきたと話したらしい。
そんなことを言われると胸に詰まる思いになる。
ベッキーはずっとかなちゃんを見守っていたことになるのだ。
まったく凄いことである。
犬の言葉が分かる人がいることを信じる信じないは個人の自由であるが、自分は分かる人がいても良いと思っている。
細かなことまでは分からないが、自分はあんのある程度の言葉は分かる。
「お腹空いたよ。遊んでよ。食べ物をちょうだいよ。早くちょうだい。怖いよ。寂しいよ。帰ろうよ。楽しい。嬉しい。連れてって。ミニに乗せて。出かけちゃうの。眠いよ。行きたくない・・・」などなどあるが、もっときっと心を通わせて暮らしている。
だが、さすがに「育てる」と言うことになると少し話しが違ってくる。
さて、あんはどう思っているのか。
と同時にあんにどう思われるかを心配しながら付き合うこともない。
ただ愛するだけである。
ただ大切にするだけである。
自分の都合をあまり押し当てたりせずに、あんと一緒にいることである。
それで自分は十二分に祝福を受けているからである。
あんが「私は天使で、あなたを見守るためにあなたの傍にやってきた」と言うようなことを言っても、自分は何の不思議もないと思えるのである。
言葉を言わぬものの言葉を聞けるように。
それは自己のうちにある言葉になる前の言葉も同じように。
それに耳を澄ませ、向き合える時を持てるように。
それは祈りに成りえる。