あんの頭に小さなハゲが出来ていた。
ハゲの真ん中に傷が出来ていて、どこかでぶつけたらしい。
ここには前にも同じような傷が出来て治ったところだったが、また同じ場所に出来ていた。
あんは家のなかをもうダッシュで走り回ったりするので、すぐにぶつけてしまったのだろう。
でも、その二度目の傷も毎日消毒をし、ゲンタシンを塗布して、もう治った。
いまももう赤みもなく、あるのはハゲだけ、それもあまり目立たない、すぐに新しい毛が生えてくるだろう。
いつも女に磨きを掛けているあんにハゲは可哀想で、ハゲは自分だけで・・・。
小さなハゲのあるあんは今自分のベッドの上で一番ゆっくりな呼吸しながら、気持ち良さそうに寝ている。
その間あんの寝る座布団は干し、観葉植物たちも水を上げ、日光浴させている。
あたたかな陽射しに春が近づいていることを期待する。
あなたの微笑みも同じように。