録画しておいた「少年H」を今見終わった。
戦争という凶器の時代を生き抜き、価値・文化がそれまでとまったく一新していく様に取り残されるものと順応していくものとの狭間を否応なく生きざるを得なかった少年の心とは復興・復活に向けてどういったものであったのか、この日本には多くの「少年H」がいただろう、そこに「もし私が生きたのならば」と私の存在を考えざるを得なく映画を見た。
大人への不信は拭いきれず、しかし、その少年も忌み嫌う大人へとなっていく過程とは如何なるものなのか。
戦争によって破壊されたのは街だけではなく、信じる心も破壊された、そこに両親の愛と信仰は間違えなく深く意味を落としていく様は切なる祈りのようであった。
いつか原作を読んでみたくなった。
面従腹背で生きるしかなかったキリスト教徒の戦争時代、遠藤氏のそれと妹尾氏のそれに違いはあるが苦しみの違いはないように思えた。