数日前から「人と思想 マザー・テレサ」を読み始めた。
読み始めから、このマザーの本はとても良いものだと思えた。
マザー・テレサは好きだけどもカトリックを知らない人などには是非読んでもらいたい。
マザーを深く知る切っ掛けになるだろう。
しかしマザーの生前1994年に出版されたものなので、それ以後、マザーの死後にマザーの修道会から出された出版物などが、今は読めるので所々記述の間違いや不備などがあるのは仕方ないと思う。
タイトルにあるベサと書いたものはアルバニア人の精神の支柱なるもの、マザーの支柱にも存在したものである。
ベサとは約束を守ると言うことである、それは頑なに約束を守る、絶対に破らないと言う強い意志である。
「人と思想 マザー・テレサ」のなかにはこうある「相手を家に泊めると約束した場合、何があっても、その約束は果たす。誰かに追われていたとしても、たとえ、家に泊める相手が家族の誰かの敵であったとしても、その約束は守らなくてはならない」とのことである。
マザーの誓願のなかにはこのベサの影響がなかったとは言えない。
マザーは神さまとの間にベサがあったのではないだろうか。
マザーはシスターニルマラとともバチカン、ニューヨーク、ワシントンに行った最後の旅を終え、マザーハウスに帰って来た時、チャペルのなかで一人十字架のイエスに向かって、こう言っていたことを一人のシスターが聞いていた。
「イエスよ、私はあなたに何も拒否しませんでした」
これはマザーの死の数日前のことであった。
この時、マザーは喜びに満ちていた。
マザーは神さまとの約束を守り通した喜びのうちに天国へ旅立ったのである。