停泊地)中目黒 FJ's(08.11/7)
メインアーティスト)増尾 好秋(g)&鈴木 良雄(b)
本日の会場FJ'sは、初めてのお店です。住所は中目黒となっていますが、最寄り駅は東横線の祐天寺駅になります。ここは、キーボード奏者深町 純さんが、2年前にオープンしたLiveSpotです。
深町さんは、70年代の日本のクロスオーバー・シーンの草分け的存在です。
(クロスオーバーというジャンルは、その後どういう訳か、突然フュージョンと呼ばれるようになりました。)
ランディ&マイケル・ブレッカー、デイヴィット・サンボーン、マイク・マイニエリ、リチャード・ティー、スティーブ・カーン、アンソニー・ジャクソン、スティーブ・ガッド。
ここに掲載した説明不要の凄腕ミュージシャン達は、深町さんの1978年の後楽園ホールでのリーダーライブの共演者達です。
これを見れば、当時、深町さんが日本のクロスオーバー・シーンでいかに突出した影響力を持っていたか、想像出来ると思います。
入り口を入ると、右側にステージがあって、その周りをテーブルと椅子が取り囲むように配置されています。キャパは、40人ぐらいですね。とても趣味のいい雰囲気です。そのステージの左端にキーボードとその周辺機材が、ドンと鎮座しています。ここでは、深町さんのライブも定期的に行っているようです。そしてスケジュール表を見ると、朋友の元プリズムのギタリスト、和田アキラさんとのDUOもあるようです。なんか面白そうですね。一度観て見たいです!
編成は、基本的にジャンルレスの感じです。深町さんが面白い、と思ったものをジャンルを問わずブッキングしているのかな。
ピアノは置いてありませんので、ストレートなジャズは編成されないのだと思います。なので、いままでこの店の情報が入らなかったのだと思います。
深町さんと増尾さんとは、同い年です。増尾さんはMCで、深町さんのことを“同志”と紹介し、“深町くん”と呼んでいました。Jフュージョン時代を駆け抜けてきたもの同士の戦友と言った関係なんでしょうか。
いずれにしても、そのよしみで、ここでのライブが実現したようです。
さて、増尾さんとチンさん(鈴木 良雄)との関係は、以前このブログで紹介していますので興味のある方は、ご参照ください。
増尾さんについては、補足します。
私が始めて増尾さんの演奏をテレビで観たときの衝撃は今でも覚えています。
確かNHKだったと思います。当時増尾さんはソニーロリンズのレギュラーメンバーの一員でした。そしてこの時は、ロリンズの3度目の来日コンサート(1973)に合わせた収録だったのではないかと思います。
最初は、“へえー、外人のジャズのバンドに日本人がいるんだ”と言った感じ。
この時は高校生だったので、ソニー・ロリンズが偉大なミュージシャンで、そのバンドに日本人が居ることの希少性とか、全く理解していませんでした。
そして、増尾さんのソロになって、もう釘付け状態。
このとき、ギブソンのレスポールという楽器を使っていました。レスポールといえば、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジや、ジェフ・ベックで御馴染みのハード・ロック系ギタリストご用達のギターです。それをナチュラルな音でとても洗練されたフレーズで歌い上げていきます。ハードロック系の音楽にいささか食傷気味だったゴードン青年にとって、増尾さんの発見は、その後、ジャズの世界に深く入り込みきっかけとなった、鮮烈な事件でした。
さあ、ステージのほうは、鈴木さんの書いたブルースでスタート。そのあと、私の大好きなバラード「Nightingale Sang in Berkeley Square/バークレイ広場のナイチンゲール」を披露。これは、ずいぶん前に増尾さんのCDにも収録されています。後でこのことをご本人にお話したら、覚えていない感じでした。まあ、こういったキャリアの長い人の事は、ファンの方がよく知っていると言うのは、世の常ですね。
そして、ギターとベースのDUOといったら欠かせないレパートリー「アローン・トゥギャザー」、「オールド・フォークス」、「イット・クッド・ハップン・トゥ・ユー」で一部は締めくくり。
今日の楽器はギブソンのフル・アコースティックギターES-175を使用しています。これは、高校生のとき買ったもので、お気に入りの1本と言うことですね。この時は、普通に新品を買ったようですが、この60年代初期の175は、今では、中古市場で高額で取引されている、ジャズ・ギタリスト垂涎の名器です。
大切に使われていたのでしょうか、40年以上たった楽器とは思えない美しいボディを保っています。
使い込まれた名器の音と言うのは良いですね。
特にシングルトーンでビブラートをかけた時とか、コードを刻むサウンドは、ほかでは味わえない極上の世界です。
二部にはいると、遊びにきたドラマーのマーク・テイラーさんも加わって、スタンダードやそれぞれのオリジナルを次々に披露していきます。
今日の一番は「You're My Everything」ですね。朋友鈴木さんのジェントルなベースのサポートで、センス溢れる増尾さんのフレーズがいつまでも歌い続けます。
アウトしたり、高速フレーズが出てくることはほとんどありません。これは、昔からそうです。ひたすら歌い続ける、、、
そう言えば、ソニー・ロリンズは、ツアーの移動中とかも、いつもフレーズを口ずさんでいた、と聞いたことがあります。
ロリンズクラスのミュージシャンが望めば、増尾さんよりテクニックのあるニューヨークのギタリストはいくらでも居たでしょうが、今日の演奏を聴いて、何故増尾さんをメンバーに選んだのか、なんとなく解るような気がします。
そして、最後は“深町くん”も加わって、スタンダードの「枯葉」で締めくくり。
なんとも極上のアコースティック・ジャズを堪能した次第です。
さて、ニューヨーク在住38年目の増尾さん。今までは、プロデュース業を中心に活動していましたが、今年から、ギタリストとしての活動を本格的に行うことにしたようです。最初のMCでも、その事に触れ、
「今年からジャズ・ギタリストの増尾 好秋の復活です。これから、よろしく願いします。」と宣言していました。
以前紹介した、渡辺香津美さんも、今年は「ジャズ回帰プロジェクト」を宣言しています。
フュージョン時代に一世風靡した両ギタリストの、偶然とはいえ、期を一にしたアコースティック・ジャズ宣言。
これは、時代の流れなのかな、、、
メインアーティスト)増尾 好秋(g)&鈴木 良雄(b)
本日の会場FJ'sは、初めてのお店です。住所は中目黒となっていますが、最寄り駅は東横線の祐天寺駅になります。ここは、キーボード奏者深町 純さんが、2年前にオープンしたLiveSpotです。
深町さんは、70年代の日本のクロスオーバー・シーンの草分け的存在です。
(クロスオーバーというジャンルは、その後どういう訳か、突然フュージョンと呼ばれるようになりました。)
ランディ&マイケル・ブレッカー、デイヴィット・サンボーン、マイク・マイニエリ、リチャード・ティー、スティーブ・カーン、アンソニー・ジャクソン、スティーブ・ガッド。
ここに掲載した説明不要の凄腕ミュージシャン達は、深町さんの1978年の後楽園ホールでのリーダーライブの共演者達です。
これを見れば、当時、深町さんが日本のクロスオーバー・シーンでいかに突出した影響力を持っていたか、想像出来ると思います。
入り口を入ると、右側にステージがあって、その周りをテーブルと椅子が取り囲むように配置されています。キャパは、40人ぐらいですね。とても趣味のいい雰囲気です。そのステージの左端にキーボードとその周辺機材が、ドンと鎮座しています。ここでは、深町さんのライブも定期的に行っているようです。そしてスケジュール表を見ると、朋友の元プリズムのギタリスト、和田アキラさんとのDUOもあるようです。なんか面白そうですね。一度観て見たいです!
編成は、基本的にジャンルレスの感じです。深町さんが面白い、と思ったものをジャンルを問わずブッキングしているのかな。
ピアノは置いてありませんので、ストレートなジャズは編成されないのだと思います。なので、いままでこの店の情報が入らなかったのだと思います。
深町さんと増尾さんとは、同い年です。増尾さんはMCで、深町さんのことを“同志”と紹介し、“深町くん”と呼んでいました。Jフュージョン時代を駆け抜けてきたもの同士の戦友と言った関係なんでしょうか。
いずれにしても、そのよしみで、ここでのライブが実現したようです。
さて、増尾さんとチンさん(鈴木 良雄)との関係は、以前このブログで紹介していますので興味のある方は、ご参照ください。
増尾さんについては、補足します。
私が始めて増尾さんの演奏をテレビで観たときの衝撃は今でも覚えています。
確かNHKだったと思います。当時増尾さんはソニーロリンズのレギュラーメンバーの一員でした。そしてこの時は、ロリンズの3度目の来日コンサート(1973)に合わせた収録だったのではないかと思います。
最初は、“へえー、外人のジャズのバンドに日本人がいるんだ”と言った感じ。
この時は高校生だったので、ソニー・ロリンズが偉大なミュージシャンで、そのバンドに日本人が居ることの希少性とか、全く理解していませんでした。
そして、増尾さんのソロになって、もう釘付け状態。
このとき、ギブソンのレスポールという楽器を使っていました。レスポールといえば、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジや、ジェフ・ベックで御馴染みのハード・ロック系ギタリストご用達のギターです。それをナチュラルな音でとても洗練されたフレーズで歌い上げていきます。ハードロック系の音楽にいささか食傷気味だったゴードン青年にとって、増尾さんの発見は、その後、ジャズの世界に深く入り込みきっかけとなった、鮮烈な事件でした。
さあ、ステージのほうは、鈴木さんの書いたブルースでスタート。そのあと、私の大好きなバラード「Nightingale Sang in Berkeley Square/バークレイ広場のナイチンゲール」を披露。これは、ずいぶん前に増尾さんのCDにも収録されています。後でこのことをご本人にお話したら、覚えていない感じでした。まあ、こういったキャリアの長い人の事は、ファンの方がよく知っていると言うのは、世の常ですね。
そして、ギターとベースのDUOといったら欠かせないレパートリー「アローン・トゥギャザー」、「オールド・フォークス」、「イット・クッド・ハップン・トゥ・ユー」で一部は締めくくり。
今日の楽器はギブソンのフル・アコースティックギターES-175を使用しています。これは、高校生のとき買ったもので、お気に入りの1本と言うことですね。この時は、普通に新品を買ったようですが、この60年代初期の175は、今では、中古市場で高額で取引されている、ジャズ・ギタリスト垂涎の名器です。
大切に使われていたのでしょうか、40年以上たった楽器とは思えない美しいボディを保っています。
使い込まれた名器の音と言うのは良いですね。
特にシングルトーンでビブラートをかけた時とか、コードを刻むサウンドは、ほかでは味わえない極上の世界です。
二部にはいると、遊びにきたドラマーのマーク・テイラーさんも加わって、スタンダードやそれぞれのオリジナルを次々に披露していきます。
今日の一番は「You're My Everything」ですね。朋友鈴木さんのジェントルなベースのサポートで、センス溢れる増尾さんのフレーズがいつまでも歌い続けます。
アウトしたり、高速フレーズが出てくることはほとんどありません。これは、昔からそうです。ひたすら歌い続ける、、、
そう言えば、ソニー・ロリンズは、ツアーの移動中とかも、いつもフレーズを口ずさんでいた、と聞いたことがあります。
ロリンズクラスのミュージシャンが望めば、増尾さんよりテクニックのあるニューヨークのギタリストはいくらでも居たでしょうが、今日の演奏を聴いて、何故増尾さんをメンバーに選んだのか、なんとなく解るような気がします。
そして、最後は“深町くん”も加わって、スタンダードの「枯葉」で締めくくり。
なんとも極上のアコースティック・ジャズを堪能した次第です。
さて、ニューヨーク在住38年目の増尾さん。今までは、プロデュース業を中心に活動していましたが、今年から、ギタリストとしての活動を本格的に行うことにしたようです。最初のMCでも、その事に触れ、
「今年からジャズ・ギタリストの増尾 好秋の復活です。これから、よろしく願いします。」と宣言していました。
以前紹介した、渡辺香津美さんも、今年は「ジャズ回帰プロジェクト」を宣言しています。
フュージョン時代に一世風靡した両ギタリストの、偶然とはいえ、期を一にしたアコースティック・ジャズ宣言。
これは、時代の流れなのかな、、、
船長と同じミュージシャンに注目できたことで、ちょいと諜報部員として株が上がった気がしますです(^^;)。
…あ、まだまだでしたか。スミマセンm(_ _)m。
増尾&鈴木DUO行かれたんですね!
それにしても、なかかな目的地でお会いしませんね。
そう言えば、特命契約しているmotoさんとは、渋谷で偶然合流しました。
うららさんと遭遇するⅩdayは、年内に実現するのかな、、、
こちらのブログ、推薦してくれてありがとう!
>確かNHKだったと思います。当時増尾さんはソニーロリンズのレギュラーメンバーの一員でした
すごくよく覚えてますよ。
もしかして同じ年頃?
クロスオーバーがなぜにフュージョンとなってしまったのか・・・いまだ、違和感を覚えます(笑
あのNHKでの演奏、とくにセントトーマスが印象的。
つい最近のことはすぐ忘れるのにあの頃のことはよ~くおぼえてるもんですね。
>つい最近のことはすぐ忘れるのにあの頃のこ とはよ~くおぼえてるもんですね。
全く同感です。
最初の20年間で記憶装置を使い果たしてしまうのかな、、、
>もしかして同じ年頃?
かも知れませんね。でも、いま自分がいくつかも記憶にないんです!
コメントありがとうございます。