移動支援は、自立支援法に定める区市町村地域生活支援事業である。これもまた、障害程度区分により支給量が決定されるだけでなく、通勤(通所)・通学に使えないという問題点があった。この通勤(通所)・通学に使えない、という点については、自治体によって利用可能になってきており、大田区もそのひとつ、ということになる。
ただ、せっかく自治体が通学支援をメニューに持っていても、次のハードルが待っている。
通学支援のサービス利用には、それが多くの場合、毎日ほとんど同じ時間帯の短時間であるために、事業として成り立たないことが多い。つまり、例えば30分間の通学支援は、実際には開始地点・終了地点への移動時間を含め、2時間程度を支援者側では見なければならないので、短時間過ぎて事業としては成り立たない。その上、通学時間はほとんど誰も同じなので、1対1の支援者は、毎日誰か一人の通学支援しかできない。
このような問題から、仕事として受けない事業所の方が多いのかもしれない。かくして、メニューはあってもサービス提供者がいない、という、例の問題が立ちはだかる。
支援要請がある限り、可能なぎりぎりまで断らないのを信条とする風雷社中は、この通学支援を積極的に受けているが、回していくのはなかなか厳しいだろう。
だからこそ、通学支援のような部分は、とりわけ「支援の一般化」戦略の中で解決しなければならない部分だろうと考えている。その道筋を作るために、僕もこの支援に関わって行く。そのために、4月にガイドヘルパーの講習を受け、資格も取った。(知的障害者移動支援従業者養成研修は、東京都では僕の受講した「こげら会」のみがおこなっている)
とりあえず当面、週3回、3人の利用者の支援に入っている。成人男性、女子高校生、男子小学生と、利用者のバラエティーもある。