障害の「害」について、簡潔に、もう一歩踏み込んでみる。
障害の「害」がダメだ、という人たちの論理はこうだ。
障害者は「害」を持った存在として認識され差別されてきた。
それはそうだ。
社会が障害者から「害」を受けている、と、今までの人たちは考えていたのだから。
だが、歴史の中で明らかになった事実は逆だ。
障害者は社会への加害者ではなく、被害者なのだ。
障害者は、社会から「害」を受けてきたのだ。そして今も「害」を受け続けている。
機能障害(インペアメント)を障碍と置き換えたところで、障害の社会モデルに立つ限り、機能障害と社会的な障壁の相互作用である「障害」は、被害・加害の関係性を含んでいる。
加害者側はともかく、被害者の側から、その事実を隠す必要なんてない。
だから、障害の「害」は書き換えない、というのが、僕の見解です。