「公職選挙法に疑問がある。」そのことについて語り始めようと考えたが、そのことは、この選挙が終わってからでもよい。
今、なすべきことは、7月4日~20日まで、つまり明日残されたただ1日のために、決して知られてはいない、そして厳しい状況の中にある彼について語ることだ。
その人は、「山シロ博治」という。参議院比例代表選出議員選挙の、社民党名簿にある候補である。
「参院議員は、定数242の半数が3年ごとに改選となる。今回の改選定数は選挙区73、比例48の計121。」のだそうだ。比例では48の定数に168の立候補者がいる。
7月21日執行の、東京都選挙管理委員会の選挙公報には、表紙下段に社民党の候補3人が掲載されている。山シロ氏はその一人だ。
山城博治。
闘い続けている人だ。辺野古で、高江で、普天間ゲート前で、座り込みの阻止線を張り続ける、人々の長く苦しい闘いの先頭に、常に彼はいる。弾圧や威嚇から体を張って人々を守り、気遣いながら、何年もの長い間、毎日毎日、疲れても休むことなく立ち動いてきた、そうしてきた人だ。
昨年、「ガッティンナラン!沖縄差別4.20集会―「復帰」40年・サンフランシスコ条約60年」での、彼の発言要旨を、「一坪反戦通信」237号より引用する。(この記事作成は僕がしている)
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■沖縄平和運動センター事務局長 山城博治さん
この1年、震災と福島の悲劇により、天地を流すほどの涙がこの国を覆っている。しかし政府は、この震災を奇貨として、念願の沖縄への基地建設を果たそうとしている。ガッティンナラン、ヤマト政府、断固として闘いを挑む。辺野古の基地建設は座り込みで止める。普天間基地の補修工事も、高江のヘリパッド建設も、座り込みで止める。
PAC3の配備は戦時さながらの体制で県民を脅迫し、政府や自衛隊に物を言わせぬ状況を一時的に作り出したが、沖縄のマスコミは、本土の有識者の分析も交えながら、ミサイルを奇貨とした大軍事演習が壮大な無駄、壮大な芝居であることを明らかにしてきた。
沖縄を総動員体制にすることはできない。PAC3を打てるものなら打って世界中に恥をさらせ。使った無駄な金は震災復興に当てるべきではなかったのか。
本当にミサイルが飛んできたら、沖縄は生きられない。アメリカは怖いからグアムに逃げる。むしろうるさい沖縄はみんな死んでしまえばいいと、日本政府は思っているのではないか。
狭い日本列島も同じ。海岸線に無防備に並んでいる原発に1発撃ちこまれてしまえば日本は終わりで、防ぐことはできない。戦争が起きたら、生きられない。憲法9条があるから戦争をしないのではない。この国が生き延びるために、戦争をしてはならないということの本質を見るべきだ。憲法は、これから先生き延びるための唯一の知恵だ。それを知っているのが沖縄だ。
宜野湾市の嘉数の高台では、沖縄戦の当時、14歳の少年が徴用され、にわか作りの爆弾を持たされて迫りくる米軍の戦車に突っ込まされた。そのために、高台から西海岸に流れる川は血の川になって注いだという。
日本軍においても、沖縄近海で七〇〇〇機の特攻機が配備され、二〇〇〇名が海のもくずと消えた。また、南部戦線から撤退する傷病兵を収容した南風原陸軍病院では、三〇〇〇名が青酸カリを打たれて死んだ。このような悲劇を繰り返してはならない。日本政府のさんざんな沖縄差別と、戦争政策の根は同じ。沖縄は身体を張って、全国の仲間と連帯して、軍国主義の再来を許さない戦いをこの一年やっていきたい。
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現在、参議院の社民党議員には、現職の沖縄の議員、山内徳信氏がいる。山内徳信氏の人となりは「9条マガジン」のインタビューを参考にしてほしい。
http://www.magazine9.jp/interv/yamauchi/yamauchi.php
山内氏は今回の改選を機に引退を表明し、後継者を山シロ氏に託した。
しかし、凋落傾向が進む社民等は、1議席を守るのも厳しいかもしれない。
加えて、山シロ氏は、社民党の名簿の1位ではない。
参議院の比例区に、沖縄の議員がいることは限りなく重要だと考える。
沖縄県民が与野党挙げて総力で、オスプレイを配備しないでくれと叫んでも、日本の国は相手にしないからだ。
今まさに続いている、沖縄への差別と抑圧の歴史に終止符を打つために闘うことが、沖縄への加害者であり続けている私たちの責務だと、僕は繰り返し言い、またそれを実践することを、必須の課題としている。日常の課題との折り合いのつかなさに、ずっと悩み苦しんではいるが。
だからこそ、全身全霊を込めて訴える。
日常的に、どんな政党を支持し、またどんな政党に義理を持っている人に対しても、もうあきらめて選挙なぞ行かない人も、せめて今回だけ、彼を国会に送り出すことに賛同してほしい。
比例区だけでいいのだ。政党名を書くのではなく、彼の名前を書いてほしい。
きっと彼は、最大限の仕事をする。それこそが、彼がすべてをかけて闘ってきた沖縄の闘いを、全国の課題にすることだからだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E6%8B%98%E6%9D%9F%E5%90%8D%E7%B0%BF%E5%BC%8F から
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名簿順位は政党があらかじめ決めることはできず、個人票の得票数に応じて順位付けされ、当選者が決定する