はい、しげのですが?

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6月4日「映画『標的の村』inおおた」に向けて:なぜ今、映画『標的の村』なのか?

2015年05月17日 19時53分58秒 | 沖縄・米軍基地問題

 6月4日「映画『標的の村』inおおた」に向けて。上映会まで残り20日を切った。だが周知はまったく不足している。今日からは、可能な限り毎日、上映会に向けて関連の情報発信をしていこうと考えている。

 

なぜ今、映画『標的の村』なのか?→目的は共感の土台作り。

 このブログにも書いたことだが、僕自身が、この映画にはかなりの影響を受けている。

その後の試行錯誤のひとつとして、インターネットラジオOpenSession♪で「みえない差別としての沖縄」の公開収録をおこない、また、連動した企画として、さまざまな切り口から現状を伝える「沖縄の話」シリーズというトークイベントを4回開催した。そして、結果としては自分自身も、【伝えることの難しさ】を、改めて実感することになった。知識としての「正しさ」を語るだけでは伝えられないし、共感は広げられない。そこは一応意識しているのだが、なかなか難しい。

この映画には、今までに足りない、伝わらない何かがあるように思う。もちろん、誰にでも共感が生まれるとは思わないが、知識や情報では足りない部分が伝わるような気がするのだ。

 

映画『標的の村』が伝える、「現場」と「思い」

 この映画は、もともとテレビドキュメンタリー番組として優れていると思うが、それ以上に、僕にとっていつも強く心を動かされるのは、映画版として追加された、沖縄県民による普天間基地ゲート封鎖行動と、それを警察が排除する攻防の場面だ。

「こうするしか、もう方法はないんだからね」と言いながら、恐怖にふるえながらも、乗り付けた乗用車を基地ゲート前に止め、そのままレッカー車に吊り上げられる車内に立てこもる人たち。警察の排除の場面を実況中継する報道関係者の緊迫した声と表情。「こんな場面をお伝えしなければならないのでしょうか」と絶句する様子。

 

暴力は、情報と共感を遮断した場所に出現する。

 僕は、1980年に大学に入学したのだが、そこでいわゆる街頭での情宣活動や抗議行動といった現場で、警察のアンダーグラウンドな暴力というものを初めて目の当たりにした。それは例えば整列した機動隊の盾の間から手や足が伸びて腹を蹴ったり、盾の向こう側に引きずり込んで転倒させ足蹴にしたり、という、明らかに違法なものだった。その暴力の下手人は大抵、中年過ぎの刑事たちだ。そして、「こいつが手を出したぞ!こいつを撮影しろ」などと指差したりすると、機動隊の盾はすばやく刑事を隠し、同時に別働隊の刑事が、証拠の写真撮影をしようとしている背後から襲い掛かって羽交い絞めや首絞めをして撮影妨害をしたりする。残念なことに、その場にテレビ局の報道もいて、カメラも携えているのに、そうした場面は決してニュースとして流れることはないのだ。まあ、それだから警察は彼らに手を出さないのだろうが。

東京に出てきてから、カンボジアPKO部隊への自衛隊の派遣が国会で論議され、2週間くらい、議員会館周辺を派兵に反対する人々が埋めた時期があった。その最後の場面で機動隊が導入され、反対する人々は国会周辺から日比谷方面に向けて排除されることになった。天気のよい日曜日で、たまたま散歩に来ていたのだろう、杖をついた老紳士がその場面に遭遇した。最初はたくさんの人出と機動隊の対峙を無言でながめていたのだが、子供をつれた女性がいきなり機動隊員の盾で殴られる場面を目撃して、泣き出してしまった。「何だこれは!何だこれは!」と叫んでいた。今現場で見ていることが信じられない、そういうやるせない感情が伝わってきた。

しかし、いつの間にか、僕(ら?)は、正当性のないことが、理不尽に強行され、暴力が大手を振って歩くことに慣らされてしまっているように時々思う。

警察などの局地的な暴力は、一般への情報と共感を遮断した場所に出現すると、僕は考えている。情報の遮断とは、報道がそれを伝えない、ということであり、共感の遮断とは、暴力を振るう者の表情が相手への嫌悪を露にしていることからも、偏見を背後に背負っていることを推察できるが、もうひとつ重要な要素は、暴力に遭遇したものが、そのことに諦め慣れてしまう、ということだと考えている。

今日の「戦後70年止めよう辺野古新基地建設!沖縄県民大会」は3万5千人の参加だったという。正当性のないことが、理不尽に強行され、暴力が大手を振って歩くことを許さないこと。遮断された情報と共感を取り戻していくこと。そのことに本気で取り組んでいかなければ、と思う。

すでに大田では昨年、4月のカフェ「油揚げ」、7月のカフェWACOCORO、また未確認ではあるが、NPO法人あまのはらでも上映会を行なったようだ。今年も4月29日に大田区民プラザで上映会が行われた。5月23日からは新作「戦場ぬ止み」の東京上映会が行われる。そのような状況で、175人も入る会場での上映会。無謀ではないのか?という見方もあると思う。実際、集客は厳しいと思う。それでも、この上映会には価値があると考えている。そして、自分の周囲にいる人にはぜひこの機会に見てほしいし、また、これからのネットを中心とした告知を通して、今まで上映に足をはこぶ機会のなかった人に出会えることを期待している。

◆ぜひ、6月4日の上映会で、「標的の村」を見てください。もう観ている方は、知人友人を誘ってください。

◆5月23日からは、三上智恵監督の「戦場ぬ止み」(いくさばぬ、とうどうみ)がポレポレ東中野で5月23日に先行上映です。(正式上映は、7月18日から。)

◆ 5月24日には、5.24国会包囲ヒューマンチェーンがおこなわれます。

 などという宣伝を、これから頑張らなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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