はい、しげのですが?

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ヘイトスピーチに関する法案(与党案)が審議される。

2016年04月18日 16時42分51秒 | 障害者権利条約Vs障害福祉

ヘイトスピーチは日本における重大な課題だ。法務省もホームページで「近時,このヘイトスピーチが,マスメディアやインターネット等で大きく報道されるなど,更に社会的な関心が高まっている上,平成26年7月の国連自由権規約委員会による日本政府報告審査における最終見解【PDF】及び同年8月の国連人種差別撤廃委員会による同審査における最終見解【PDF】で,政府に対してヘイトスピーチへの対処が勧告されています。」と認めている通りだ。
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html 

ヘイトスピーチに関する法案(与党案)が、今週から参議院の法務委員会で審議されるもよう。とりあえずどんな法案か、知っておく必要があるだろう。法務省のPDFが縦書きで読みにくいので、以下、テキスト抽出した。

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本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(案)

目次

前文
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 基本的施策(第五条―第七条)
附則

 我が国においては、近年、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、適法に居住するその出身者又はその子孫を、我が国の地域社会から排除することを煽せん動する不当な差別的言動が行われ、その出身者又はその子孫が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている。

 もとより、このような不当な差別的言動はあってはならず、こうした事態をこのまま看過することは、国際社会において我が国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない。

 ここに、このような不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、更なる人権教育と人権啓発などを通じて、国民に周知を図り、その理解と協力を得つつ、不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進すべく、この法律を制定する。

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉又は財産に危害を加える旨を告知するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。

(基本理念)
第三条 国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)
第四条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有する。
2 地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。

第二章 基本的施策

(相談体制の整備)
第五条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。

(教育の充実等)
第六条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施
するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

(啓発活動等)
第七条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

附則
この法律は、公布の日から施行する。

理由
本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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この法案は、またしても「差別解消」であり、国が差別扇動を犯罪行為として禁止する姿勢を明確にしていないし、処罰も伴わない、という点で問題であり、また「適法に居住する者」という対象の限定の限定が新たな差別を含むという点でも問題であるだろう。すでにいくつかの声明が出されている。


「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する 法律案」に関する全国難民弁護団連絡会議緊急声明 

ヘイトスピーチに関する法案(与党案)に対する声明(移住連)

いずれにせよ、これを契機に、ヘイトスピーチへの取り組みが注目され、本格的に議論されることを期待する。
 


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