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城西雑録--日々のあれこれとよもやま。

中国の金融危機

2014-03-16 | 中華大全
 NEVER的な私的な勝手な独断的なまとめ--。

 ①李克強首相が「もう面倒をみないこともある」と言った理財商品は、ほとんどが満期が3か月あるは6か月の短期債で、次の満期集中時期は、この6月になる。--ついで9月と年末の12月。つまり短期かつ集中的に問題化しかねない。それも深刻に。

 ②理財商品は金融機関向けではなく、基本的に個人投資家の購入対象とされているので、債務不履行(デフォルト)が起きてもサブプライム危機のときのように、金融機関の焦げ付き連鎖に波及することはないとはされているが、金融機関が簿外でやっているのかもしれない。(おそらく、やってる。資金余剰の国営企業なんかも、迂回でやってる、はず)

 ③理財商品は、元本保証はされない。だからリスク商品なのだけれど、購入者の個人投資家はそんなことは認識していない(--あるいはウソをつけという)。去年の12月の華夏銀行でのデフォルト騒ぎでは、取り付け騒動になり、結局、銀行側は元本の返金に応じざるを得なくなった。

 ④この理財商品が、いわゆるシャドーバンキングで、集めた資金は中国全体の過剰融資の一翼を担っている。いったんデフォルトとなれば、もう、理財商品は、誰も買わないことになりかねず、お金の流れが止まる。

 ⑤経済の改革には、過剰投資の抑制を迫られていて、だから、「もうシャドーバンキング、抑制する」。(←-いま、ここ、あたり)でも、そうすると、経済の減速が不可避で、GDPの8%成長は、もう、あきらめざるを得ない。

 ⑥中国経済が本格減速すると、中国国内では過剰融資の投資資金が焦げ付きかねない。最初にシャードーバンキングの水ぶくれ融資分野への影響が深刻化しかねない。

 ⑦これまでの過剰な融資状況を背景に、鉄鋼、アルミ、ガラス、造船、太陽光パネルなどの各分野は、設備投資のやりすぎで、生産が過剰になって、鉄鋼なんか値崩れがもう起きている。--人影もないゴーストタウンとか、空港作りすぎとか、とかの話もごろごろ。経済が停滞すると、こうした投資の資金回収が難しくなる。

 ⑧中国は、独裁かつ強権国家で、いまでは外債はたっぷりあるから、たとえ金融危機が起きても、強引な手法を講じてでも解決するだろうから、政権自体が揺らぐことはなかろう。(見よ。イデオロギー闘争の大躍進でも文革、天安門事件でも、中国共産党の政権それ自体は揺るがなかった--これは、資本毀損の話だし)

 ⑨でも、中国経済が大減速すると、周りの国々の経済その他の社会状況は、深刻な影響を受けかねない。日本の対中貿易量も減るよ。工作機械なんか、あんまり買ってくれなくなる。