私淑する中村天風翁の言葉を中村天風財団のメルマガより引用連載します。
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■ 中村天風 | 一日一話
元気と勇気が湧いてくる、哲人の教え366話
2021/8/27 得意の時にこそ
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人生に、最も注意すべきことは
得意の時にひとしお心の備えを緩めぬよう、
心がけることである。
中村天風
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▼残心
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「心の備えを緩める」ということについて、
天風は武道の「残心」を例に出して
説明をしています。
「残心」は
武道を志す方だけではなく、
誰にでも共通して必要とする心なのです。
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(以下、機関誌「志るべ」に掲載された、
「箴言註釈14」現代語表記版より引用抜粋)
※『真理のひびき』箴言14に該当。
残心という言葉は、
闘い終わったあとの心構えということを
意味するのである。
闘う前の心構えと、
闘っている最中の心構えと、
闘い終わったときの心構えに、
いささかも差もあってはならないという
戒めなのである。
すなわち、
闘い終わった際も闘っている最中と同様、
かりにも安易に心を緩めるなと
いうことなのである。
特に勝利を得た時は、
一層この心構えを厳重にすべし、
と戒めている。
なぜかというと、誰でも勝利を得ると、
勝った!!という得意感=安心感が
即座に心に生ずるものである。
すると同時に心の備えに、緩みが生じて、
武道家の最も恐れる隙というものが
続いて生じるからである。
「体くずれ」、
又は「構えやぶれ」という状態になる。
残心というのは、
事前事後いかなる場合にも隙を作らないように
心に備えを持てということなので、
言い換えると、古い諺(ことわざ)の訓える
「終りを慎むこと始めの如くあれ」と
いうのと同様のことなのである。
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