酒屋には組合というものがあって、その中に「青年会」という組織がある。
斜陽化する業界の組合のこと。
その勢いは年々衰えている。
風前の灯火と例えても怒る人はもういないだろう。
その中にあるもうひとつ小さな集まりである青年会も、当然勢いがない。
10年余り会長を務めてきた私が、自分が仕切る最後の総会と決めて臨んだのが一昨日のことである。
一通りのすべき議案を終えて、最後に会長を辞すこと、新たな会長を決めて欲しいことを宣言する。
かねてより、その思いは、メーリングリストを通じて告げてあった。
誰も引き受け手がいなければ、解散やむなしとの覚悟でいることを承知しているメンバーは、やっと、本気で私を辞めさせることに納得してくれた(笑)
そして、私よりひとつ年少のT坂くんが次期会長を引き受けてくれることに決定。
ひたすら真面目に取り組んできた訳でもないが、やはり、これで肩の荷が下りた気がして気持ちがすっとした。
さあ、飲むぞ!
この日それぞれが持ち寄った酒が並ぶ。
トップバッターはパイパー・エドシック・ロゼ・ソヴァージュ 750mlというシャンパン。
私には酸味が強すぎて、味が広がっていかない気がした。
どうしても以前飲んだ1995年のドンペリの味わいが脳裏をかすめてしまう。
まあ、それは贅沢なことだが。
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ヒラメ、さわら、鯛、うに・・・
旨かった。
特にこの
鰆がなんとも言えず旨い。
普通、鰆といえば、身が柔らかいものだが、これは活きがいいのか、しっかりと歯ごたえがあって、上質な脂が旨味となって口中に広がる。
シャルドネを飲んでいたが、もうこれは日本酒だ!と曰えば、待ってましたとばかりに出てくる出てくる。
もう目移りしちまっていけない。
「これは今夜は絶対に酔うな」と、飲み始めから実感させることはそうそうない。
メンバーの中には、K藤酒造の社長兼杜氏のY郎くんもいる。
彼が提げてきた、活性にごり酒が良かった。
発酵がまだ続いているもろみをそのまま瓶詰めした純米酒である。
瓶詰め後数週間という飲み頃具合が飲み助の心をくすぐる。
こいつが、しっかり辛口なので、にごり酒にもかかわらずクイクイ入る。
それに、発酵が続いているせいで、酒の中に発生した炭酸ガスがそのキレを良くするものだから旨味と爽やかさが同居してついつい後を引く。
他にも美味い酒がたくさんあるのについついこれにばかり手がいく。
結局、面前はこういうことになる。
そして、時間の観念が飛んでいく。
「今夜は酔うなこれ、絶対」その確信は、間違いなかった。
こうして、またアホウな夜に突入してしまった・・・
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