アメリカ映画の伝統であるティーンエージャーの大人への一歩のお話なんだけど、そこに物凄く意地っ張りなお母さんが絡んでくる話。日本の予告では、「これはあなたの物語」って言ってるけど、こんな女子高生、日本にはおらへんわ!と、思う。

舞台はカリフォルニアの州都サクラメント、カトリック高校のシニア、クリスティーン・レディバード(てんとう虫)・マクフィアソンは、大学進学を目前に、つまらない地元から出て、東海岸の大学に行くことを夢見る17歳。ここんとこ、東京に行きたい!と、叫んだ「君の名は」のヒロインに重ねられなくもないけど…
時は、ドットコム・バブルが弾けた頃の2002年。サクラメントは、シリコンバレーの近くで、その煽りを大きく受けた地域です。そんなご時世で、父親は長らく失業し、看護婦の母は、ダブルシフトで家族を支えています。数字に強い優秀な兄も、大学は出たものの、仕事がなくてスーパーレジで働いている。
この兄、ミゲルはヒスパニックで、多分養子だと思われるんだけど、その辺の事情は映画では何も触れられません。養子が何ら珍しくもない、現代のアメリカの家族の形を反映しているのかも。ラストで、母の手紙の中に、レディバードは「Lucky accident」だったとあるから、子供は出来ないと思って、養子をとったのかもね。
レディバードは、成績はそこそこだけど、生徒会長に立候補したり、ちょっと太っちょで、数学の先生に憧れている親友、ジュリーと、ミュージカルの配役募集の張り紙を見て演劇クラスに入ったり、誰とでもすぐ仲良くなれる、明るく活発な女子高生。「線路の向こう側」の裕福なエリアに建つ家々に憧れています。
学校に送ってくれた父のしょぼい車を見られるのが嫌で、1ブロック前で降りて学校まで歩いたり、つい憧れの邸宅を自分の家と嘘ついちゃったりと見栄っ張りなところを批判する感想も読んだけど、この年頃って、自分をよく見せたい盛りじゃないかしら?裕福な家庭の友人たちの前で、見栄を張ってしまうのも、等身大の女子高生らしくて共感できました。
母に似て頑固ではあるけど、とってもいい娘さんで、私には母親がなんだって娘を不満に感じているのか、てんで理解できないし、「質かあなたが最高のあなたになったときに」なんて言って、娘に「今のこの私が最高の私なの!」と言い返された時には、親のくせに、よくもそんな無神経なことが言えるもんだとムカついた。
演劇部で知り合った、お金持ちでハンサムな男の子、ダニーと恋に落ち、素敵な青春…と思ってたら、実はこのBFはゲイ。ドタマに来たレディ・バードだけど、彼の苦しみを知って良い理解者に。同時に、 母親に強制されたバイト先のコーヒーショップで知り合った、少女漫画に出てきそうな素敵な男の子、カイルといい雰囲気に。カイル役を『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメくんが演じています。今どきのハリウッドでは珍しい、正統派の繊細な美少年。
そして、青春映画の定番として、主人公の初体験となるのですが、実はカイルくんの方は経験済み。初めてなのに私が上って、こんな初体験あってたまるもんですか!と怒るレディ・バード。以前から憧れていた、クーでお金持ちの家の女の子、ジェンナと、シスターの車に一緒に悪戯したことがきっかけで仲良くなっていくけど、一方でジュリーとは疎遠に。
レディーバードは、母親には内緒で受験していたニューヨーク大学に補欠合格していましたが、そのことがバレてからは、母親は口をきいてくれなくなります。同じ家に住んでて、娘はもう少しで手を離れていってしまうのに、よくもそこまで怒れるもんだと、同じ母親として呆れる。娘をNYに送り出すときにも、やはり口を利かず、車を降りずに後から後悔する母。自分の子に対して、そこまで意地を張らなくてもと思うのだけど、女同士だからこそ譲れないものがあるのかな?私には息子しかいないから分からない。
結局、レディバードは、憧れのニューヨーク大学に入学します。ここでも、9/11同時多発テロ直後で、ツインタワーからもほど近く、NYUの入学希望者が減っていたという背景が垣間見えます。彼女、あんまりお勉強はできない方でしたから。
私事ですが、レディ・バード同様、若息子が進学先を決めようとしていた時、作中で地元の大学として出てくるUCデイビス校に合格し、見学に行ったものの、サクラメントのあまりの田舎っぷりに「こんなトコやだ!」と、却下しちゃった経過があります。レディバード曰く「サクラメントはカリフォルニアのミッド・ウェストよ!」なのですが、道理で息子ら、ミッドウェストに住む母ちゃんトコに来てくれないわけだと…orz
ニューヨークで、父が忍ばせた、母親が書いては捨てた娘への手紙を読んだレディバードは、名前を聞かれてファーストネームである「クリスティン」と答えます。ちなみに名字はマクフィアソン、ダニーのオニール同様、アイルランド系の名前で、クリスティンとは当然、キリストさんに因んだもの。急性アルコール中毒でぶっ倒れた翌朝、実家に電話する主人公。ここは、映画「ブルックリン」のラストシーンの彼女を思い出させました。一皮むけて、開き直った、みたいな。
私は「ブルックリン」以来、シアーシャ・ローナンちゃんが好きなので、この映画も彼女目当てで見たのですが、批評集積サイトのRotten Tomatoesで長期に渡って批評家支持率100%を記録という、アメリカじゃえらく評価が高い作品です。でも正直、たしかに面白くはあったけど、そこまで絶賛されるほどのものか?って、気もした。私には映画がわからない…


舞台はカリフォルニアの州都サクラメント、カトリック高校のシニア、クリスティーン・レディバード(てんとう虫)・マクフィアソンは、大学進学を目前に、つまらない地元から出て、東海岸の大学に行くことを夢見る17歳。ここんとこ、東京に行きたい!と、叫んだ「君の名は」のヒロインに重ねられなくもないけど…
時は、ドットコム・バブルが弾けた頃の2002年。サクラメントは、シリコンバレーの近くで、その煽りを大きく受けた地域です。そんなご時世で、父親は長らく失業し、看護婦の母は、ダブルシフトで家族を支えています。数字に強い優秀な兄も、大学は出たものの、仕事がなくてスーパーレジで働いている。
この兄、ミゲルはヒスパニックで、多分養子だと思われるんだけど、その辺の事情は映画では何も触れられません。養子が何ら珍しくもない、現代のアメリカの家族の形を反映しているのかも。ラストで、母の手紙の中に、レディバードは「Lucky accident」だったとあるから、子供は出来ないと思って、養子をとったのかもね。
レディバードは、成績はそこそこだけど、生徒会長に立候補したり、ちょっと太っちょで、数学の先生に憧れている親友、ジュリーと、ミュージカルの配役募集の張り紙を見て演劇クラスに入ったり、誰とでもすぐ仲良くなれる、明るく活発な女子高生。「線路の向こう側」の裕福なエリアに建つ家々に憧れています。
学校に送ってくれた父のしょぼい車を見られるのが嫌で、1ブロック前で降りて学校まで歩いたり、つい憧れの邸宅を自分の家と嘘ついちゃったりと見栄っ張りなところを批判する感想も読んだけど、この年頃って、自分をよく見せたい盛りじゃないかしら?裕福な家庭の友人たちの前で、見栄を張ってしまうのも、等身大の女子高生らしくて共感できました。
母に似て頑固ではあるけど、とってもいい娘さんで、私には母親がなんだって娘を不満に感じているのか、てんで理解できないし、「質かあなたが最高のあなたになったときに」なんて言って、娘に「今のこの私が最高の私なの!」と言い返された時には、親のくせに、よくもそんな無神経なことが言えるもんだとムカついた。
演劇部で知り合った、お金持ちでハンサムな男の子、ダニーと恋に落ち、素敵な青春…と思ってたら、実はこのBFはゲイ。ドタマに来たレディ・バードだけど、彼の苦しみを知って良い理解者に。同時に、 母親に強制されたバイト先のコーヒーショップで知り合った、少女漫画に出てきそうな素敵な男の子、カイルといい雰囲気に。カイル役を『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメくんが演じています。今どきのハリウッドでは珍しい、正統派の繊細な美少年。
そして、青春映画の定番として、主人公の初体験となるのですが、実はカイルくんの方は経験済み。初めてなのに私が上って、こんな初体験あってたまるもんですか!と怒るレディ・バード。以前から憧れていた、クーでお金持ちの家の女の子、ジェンナと、シスターの車に一緒に悪戯したことがきっかけで仲良くなっていくけど、一方でジュリーとは疎遠に。
レディーバードは、母親には内緒で受験していたニューヨーク大学に補欠合格していましたが、そのことがバレてからは、母親は口をきいてくれなくなります。同じ家に住んでて、娘はもう少しで手を離れていってしまうのに、よくもそこまで怒れるもんだと、同じ母親として呆れる。娘をNYに送り出すときにも、やはり口を利かず、車を降りずに後から後悔する母。自分の子に対して、そこまで意地を張らなくてもと思うのだけど、女同士だからこそ譲れないものがあるのかな?私には息子しかいないから分からない。
結局、レディバードは、憧れのニューヨーク大学に入学します。ここでも、9/11同時多発テロ直後で、ツインタワーからもほど近く、NYUの入学希望者が減っていたという背景が垣間見えます。彼女、あんまりお勉強はできない方でしたから。
私事ですが、レディ・バード同様、若息子が進学先を決めようとしていた時、作中で地元の大学として出てくるUCデイビス校に合格し、見学に行ったものの、サクラメントのあまりの田舎っぷりに「こんなトコやだ!」と、却下しちゃった経過があります。レディバード曰く「サクラメントはカリフォルニアのミッド・ウェストよ!」なのですが、道理で息子ら、ミッドウェストに住む母ちゃんトコに来てくれないわけだと…orz
ニューヨークで、父が忍ばせた、母親が書いては捨てた娘への手紙を読んだレディバードは、名前を聞かれてファーストネームである「クリスティン」と答えます。ちなみに名字はマクフィアソン、ダニーのオニール同様、アイルランド系の名前で、クリスティンとは当然、キリストさんに因んだもの。急性アルコール中毒でぶっ倒れた翌朝、実家に電話する主人公。ここは、映画「ブルックリン」のラストシーンの彼女を思い出させました。一皮むけて、開き直った、みたいな。
私は「ブルックリン」以来、シアーシャ・ローナンちゃんが好きなので、この映画も彼女目当てで見たのですが、批評集積サイトのRotten Tomatoesで長期に渡って批評家支持率100%を記録という、アメリカじゃえらく評価が高い作品です。でも正直、たしかに面白くはあったけど、そこまで絶賛されるほどのものか?って、気もした。私には映画がわからない…

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