
映画の方は、予告で期待してたおと違うなぁ、って。カンフー映画かと思ったら、違ったし、トニー・レオンが主役だと思ったら、チャン・ツィイーの復讐譚をトニー・レオンが語る映画だったし。最初にトニー・レオンが出てきて、かっこよく語り、雨の中でカンフーファイト、謎めいた老人の一行からの挑戦を受け、南派の名誉をかけて様々なマスターたちと手合わせし、象徴的な北派のマスターとの対決… この辺りまでは、うおー!当にエピック!と、思ったのですが…

トニー・レオンは、端正な佇まいの優男ながら、武道の達人なので、常に穏やかに微笑む表情ばかり。理想の武人とは、むき出しの闘気や殺気を見せない、超越した存在だろうから、この映画のイップ・マンが常に感情を抑えた紳士なのは正しいんだろうけど、「ヒーロー」の時のように、一瞬ギラリと凄みが覗くようなシーンも見たかったな。最後に、既にアヘン中毒者になっていたルオメイに告白されても、対応が淡白過ぎて、なんだか食い足りない気分。ここのルオメイの台詞、英語字幕では「I cared about you.」で、その抑えた表現は美しいんだけど、アメリカ的には控えめ過ぎて、その意味の重さが伝わってこないし、対するイップ・マンも軽く流しちゃったよう。上手い役者さんなんだから、ここで顔ワザ演技力を炸裂させて欲しかった。私、ハリウッド的演出に毒されてるわ…orz

元々は4時間もあったものを、カットしまくって2時間にしたと後から知って、なるほど、だからダイジェストみたいな感じがしたのかなって思いました。「レッドクリフ」みたいに前後編に分ければよかったのかな?ま、稀代の武人、イップ・マン波乱の一代記のつもりで観に行ったら、ルオメイとのプラトニックラブを絡めた復讐譚だったので、肩透かしを食らった感があるのですが、ウォン・カーウェイらしい映像美と「おっしゃれー」ぽさは堪能したし、完全版が出たら、家でのんびり観たいと思いました。
ところで、映画の中で何度も記念撮影する場面があったから、エンドロールでは、それらの本物の写真が出るのかなと思ったら、単に記念撮影してるだけだった。これも肩透かし…orz
カンフー・アクションはこっちのほうが断然、楽しめましたが、舞台の時代柄、日本人として、ちょっと胸にグサグサ突き刺さるところが…(^^;)
二作目を図書館で探してみます。
「序章」はアクションはいいんだけど、日本軍の悪辣っぷりがいたたまれなかった…orz
日本語字幕は「好きでした」なんだそうです。
せめて、 feelings for youくらいは言って欲しかった。
アンタのことはちょっと気にかけてたのよ、あっ、そー、みたいで、せっかくの盛り上がりシーンが味気なくなってました。