万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、生き物を詠んだ カイツブリ(鳰) の歌です。
万葉の時代は、鳰鳥(にほとり)と呼ばれています。
鳰鳥(にほとり)は、カイツブリ科のカイツブリのこととされています。水辺の鳥で、よく水に潜って水中の小魚を食べるそうです。関東地方では一年中みることができる留鳥です。 潜水が得意で、体のかなり後ろの部分に水かきのついた大きな脚が目立ちます。
万葉集/巻4-0725 作者/坂上郎女(さかのうえのいらつめ)
にほ鳥の 潜(かず)く池水(いけみず) 心あらば
君に我(あ)が恋ふる 心示さね
【意味】カイツブリ潜る池の水よ おまえに心があるならば
君を慕う私の心が どんなに深いか見せてくれ
※「にほ鳥」カイツブリの古名。
※「示さね」示してほしい。〈ね〉願望の終助詞。
万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。
※写真は、「カイツブリの親子」/無料(フリー)写真素材を使用
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