以前から話題になっており、少々興味はあったのだが、中学生の塾生であるI君から「これオモロイでえ…、貸したげるわ…」と薦められ、じゃあ連休に読んでみるわと借りて帰った。
『 空想非科学大全 』 (柳田 理科雄 著)
かつて人気のあったアニメや漫画、特撮モノなどで描かれてきた、様々なヒーローや怪獣がおかれた空想世界の出来事を真面目に科学の観点から検証しようという内容。「ウルトラ兄弟の活動時間」「仮面ライダーの改造手術」「宇宙戦艦ヤマトのワープ航法」など、子供のころは何の疑いも抱くことなく素直に納得していたことを題材に、「それは科学的にあり得ないだろう」と思えるようなことを現実の物理法則によってシミュレーションし、鋭くメスを入れていく。
注釈の部分の「ちなみに…」のところでも、ばっかばかしくて笑えるところがたくさんあった。
特に、我々の世代は、自分の少年時代とダブらせて、「あれなあ…、そうやったよなあ…」とうなずきながらクスクス笑えるという、懐かしいうれしさもあった。
マニアうけすることはもちろんのことだが、マニアに限らず一般読者にも受け入れられてベストセラーとなり、シリーズ化され、関連本や批判本も出版されているというが、確かに、著者の個性あふれる楽しい本だ。
様々なメディアに登場する機会も多くなった、著者の柳田理科雄(やなぎたりかお)氏だが、
この「理科雄」という名前が本名だというから、これはオドロキ (*σ△σ*)マジ?
ガガーリンが月面着陸したときに生まれたらしく、父親が「これからは科学の時代になるはずだ」と信じ「理科雄」と命名したとのこと。
検証のための努力ということでは、例えば、『巨人の星』の大リーグボール養成ギプスの効果を検証するため、自身でバネを購入し実験をしたというから、その徹底ぶりにも感心する。
子どもの理系離れがよく話題になっているが、物理は特に拒否反応を示すという子どもも少なくない。子どもたちの興味のある漫画・アニメなどを題材にして、楽しく科学に触れるということができれば、それで勉強に直接つながるというような、短絡的なことではもちろんないが、拒否反応を払拭し、科学が少し身近なものになるんじゃないかなあとも思う。そういう意味では、この類の本が広く、中高生に読まれているというのは喜ばしいことだ。
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