運び屋になる！

フランスからの帰り、仕事を頼まれた。
一握りのダイヤモンド
日本に持ち帰ることになった。

大まかなことは、分かった。
最近フランス語を勉強し始めたのが良かったと、自画自賛
空港に向かう道で、検問による渋滞が起きていた。
少しずつ進む車
その時携帯が鳴った
[aiio]
自分でも、びっくり！
数日間フランスにいるだけで、フランス語で受け答えができるようになった事がうれしかった。
しかし、電話の向こうに女性は、ヒステリックに捲し立てるようにしゃべっている。
日常会話以外無理。
一緒に行った通訳に電話を渡した。
電話を切った通訳は、
これからの旅用にと薬をくれた。
フランス語交じりに日本語で、何に効く薬か理解しなかった。
薬じゃないのかもしれない
ただの、サプリメントかもしれない。

朝から、自分でもかなり飲んでいる。

気圧の変化に弱い私は、鎮痛剤を飲む
私のことを知っている通訳だから、先にそうしてくれたのだと、理解した。

３０分ほどで渋滞を抜けると、空港までの道は、快適この上なかった。
パスポートを提示し、機上の人となる。
あとは、日本に着けばいい。
早速、アイマスクをつけて眠りについた

どれぐらいたったかわからないけれど
気分が良くない。
寝たら治るかと勝手に判断しそのまま眠るが、徐々におなかが痛くなってきた。
胃痛？腹痛？
自分でもよくわからない。
アテンダントを呼び、説明するが、帰ってくる言葉は、フランス語
その時の頭では、まったく理解できない。

気分が悪い。
吐きそう！
お腹痛い！

もうどうしようもない。
泣けてきても、どうしようもない。
トイレに行ったらいいかも？
と思い、立ち上がろうとすると
通訳が、トイレはだめです！
訳が分からない。

耳元で
「あなたの体の中にはダイヤがあります。
　トイレは、我慢してください。」

訳が分からない。
どうして？

お腹は、どんどん痛くなる。
通訳にしがみついて我慢した。
どうして？
何回も聞いた。
すると、朝から何回も飲んだ錠剤は、ダイヤ。
私の体内には、少なくとも１４個のダイヤが入っている。
どうやって出そうと思っていたのか、怖くて聞けなかった。

私はいつしか、運び屋になっていた。
それも、密輸だ・・・・
犯罪に手を貸してしまった。

お腹の痛さと、自分の愚かさに泣けてきた。
声を出して泣いた。
次の瞬間、目が覚めた。

夢だった。

でも、お腹は、痛い。

トイレに向かい、10分座っていた。
何も出ないし、現状は変わらなかった。
寝ぼけている。
深夜2：20
ダイヤだったら、出る！
夢の中のことが、事実に感じる。
それぐらい痛い。

ベッドに戻り、布団にくるまって寝ようとした。
温めたらいい？
カイロを持ってきて入れればいいと思いながら、動きたくない。
両手で温めながら、様子を見ていた。

寝る前に、フランスのドラマをみた
最近フランス語の勉強のため、フランス語の映画やドラマを見る
その途中で寝たことに気が付いた。
ダイヤ強奪していた。

密輸はしてなかったけれど、腹痛と外国ドラマという設定から
私の脳は勝手にストーリーを作り上げた。

脳って、おもしろい！