LEDは正義の味方か?
LEDを作るための工場でのコスト高などを考えるとかならず環境に良いとも言い難いように想える。
トイレ・風呂・食堂・階段など10箇所近く電球を使っているが、すべてLED電球に取り替えると4万円もの出費になる。
電球シャンデリアでは6個以上もLED電灯に替えるだけで、2万4千円ものコスト高になってしまう。
熱光源として電球を使う場合がある。電球の熱そのものを利用する場合もありえる。
鳥の雛を育てたり、ペットや植物に熱を与える場合などでは電球でなければならない。
一端電球工場を閉鎖して機械を廃棄すると後戻りはできない。
技術は失われ、製造工程も元に戻ることはない。
なお、その時はそれらの行程も記録されることはないだろう。
からくり儀右衛門が「万年時計」を作った記録は残っていない。
愛知万博でレプリカが展示されたが、それらは完全な再現ではなかった。
すべて分解することに成功したが、あまりにも緻密すぎ尚かつゼンマイに至っては丈夫すぎ、ゼンマイにするための鉄の帯を巻き取る方法が見つからなかったという。
からくり儀右衛門は東芝の基礎を築いた人物である。
東芝が電球製造を終了し、LED電球開発で収益を上げようとしている。
しかし、世界の中では電球に愛着を持つ国民も多くいる。
日本人の室内ライトが西洋人にとっては明るすぎ、ぬくもりを感じさせないという。
高級なレストランで螢光灯を使用しているところはほとんどない。
肺ガンになるという恐れからすべての喫煙を禁止するようなものである。
貴族や知的エリートには喫煙を楽しみとしている人間も多くいる。
世界をリードするエリートまで巻き込むことはできないであろう。
東芝は世の中を益することをしたように考えているが、CO2削減が地球環境に優しいかどうかは今のところはっきりしていない。
海面に集まる微生物は大地から流れてくる富栄養素によって爆発的に増殖する。
それだけでも海面の温度はかなり高くなるらしい。
LEDはダイオードであり電気の流れを一方向にだけ流す性質があるが、抵抗を押さえなければLEDも切れてしまう。そのために抵抗をはめ込んで電流の流れを押さえなければならない。そのため電気の無駄な損失は必ず起きるのである。
なお、有機ELが使用されるようになるとLEDも使われなくなる可能性も出てくるようである。
LED照明の現状――残る課題はコストと効率。白熱電球の代替として期待
蛍光灯や白熱電球などの既存光源がいま以上の効率向上に伸び悩む中、1996年に登場した照明用の白色LEDは、めまぐるしい速さで性能(発光効率)が向上している。チップそのものの効率は実験レベルで100lm/Wとされ、理論的には今後、200lm/W以上も可能だという(注)注:白熱電球の発光効率は約15lm/W、蛍光灯は約110lm/W。松蔭氏の発表資料(パナソニック電工の数値)より
松蔭氏によると、LED照明の残る課題は“効率”と“コスト”の2点。LEDは、照明器具に組み込む際に、電源の影響や温度上昇、さらには大量の電流を流すことによるロスが発生してしまう。よって、すべてが光として変換されず、例えば光源部単体の効率を100とした場合に、トータルで70~50%程度まで光量が落ちてしまう。この効率悪化をいかに削減できるかが、照明器具メーカーの課題だ。
画像2 デザイン性を重視したパナソニック電工の住宅用照明器具「MODIFY(モディファイ)」
電球型蛍光ランプ「パルックボールプレミア蛍光灯」とLED照明を使用した装飾照明器具。パナソニック リビング ショウルーム 東京に展示されている
もう1つの課題であるコストについては、現在lm(ルーメン)当たりの単価が白熱電球で0.2円、蛍光灯で1円程度なのに対し、LEDは4~10円と、やはり従来光源と比べ割高感が否めない。
「2012年ごろには、現在の蛍光灯並みになるという予測もあるが、効率とコスト、この両面が解決すれば、LED照明は一気に普及するだろう」と、松蔭氏。
LED照明は、“長寿命、省電力、コンパクト”といった特徴を生かし、1998年ごろからフットライトや常夜灯としての商品展開が開始された。その後、発光効率の向上で白熱電球レベルに達した後、2000年初頭から小型のスポットライトやダウンライトでの展開も始まった。現在では、白熱電球の代替照明として期待されており、また、施設向けのベースライトなど、主照明などへの展開も図られている。
矢野経済研究所が昨年末に発表したLED照明の市場規模予測によると、2008年の売上見込みは、世界の照明市場規模(約7兆円)の約0.6%に当たる約400億円。これが2013年には全体で4000億円、さらに2018年には7000億円と、照明市場規模が2008年と同じで考えた場合、照明全体の10%がLEDの売上という試算になる。
有機EL照明の現状
――LEDに比べると実用化はまだ先だが、面光源照明として期待
有機EL照明は、“高出力、薄型、水銀レス”というこれまでの照明にない特徴を持ち合わせていることから、面光源器具としての活用が期待されている。
読売新聞
白熱電球の製造中止、東芝が120年の歴史に幕
東芝は17日、電機大手で初めて一般用途の白熱電球の製造を中止した。
白熱電球は、東芝の創業事業の一つだが、温室効果ガスの削減に貢献するため、120年間の歴史に終止符を打った。今後は、白熱電球に比べて消費電力が8分の1程度で済むLED(発光ダイオード)電球の売り込みに力を入れる。
照明機器を手がけるグループ会社「東芝ライテック」鹿沼工場(栃木県鹿沼市)で同日開かれた製造中止式で、東芝の佐々木則夫社長は、「日本の全世帯がLED電球に置き換えれば、年間で約1400万トンのCO2が削減できる」と説明。「日本で初めて電球を作った東芝だからこそ、どこよりも早く中止を決断した」と述べた。
政府の要請を受けて、電機各社は温暖化対策の一環として、2012年をメドに白熱電球の生産を中止する方針を掲げている。
(2010年3月17日18時19分 読売新聞)