これは香水と殺人を題材にした、一種の哲学小説だと思う。
生まれおちた瞬間から始まる人間の孤独。
生きるためには孤独も食べていく。
匂いのない人間は他者に交われない。
匂いに憧れ焦がれ、どこまでも追い求める主人公。
匂いと音のある美しい哲学小説。
これは映画もよかった。が、内省的な隠者生活の部分は物足りなかったな。
主演のベン・ウィショーは素晴らしかった。
野卑でむき出しで粗暴で、しかも人見知りで。
純粋に本能のみ。他に何もない。
大事なものが欠如してあまりにもシンプル。
落書きがそのまま動き出したような幼稚さ。
そんな要素をほぼ全部表現していた。この俳優さんを見ただけでもよかった。
生まれおちた瞬間から始まる人間の孤独。
生きるためには孤独も食べていく。
匂いのない人間は他者に交われない。
匂いに憧れ焦がれ、どこまでも追い求める主人公。
匂いと音のある美しい哲学小説。
これは映画もよかった。が、内省的な隠者生活の部分は物足りなかったな。
主演のベン・ウィショーは素晴らしかった。
野卑でむき出しで粗暴で、しかも人見知りで。
純粋に本能のみ。他に何もない。
大事なものが欠如してあまりにもシンプル。
落書きがそのまま動き出したような幼稚さ。
そんな要素をほぼ全部表現していた。この俳優さんを見ただけでもよかった。
圧倒的な数の軍に攻め込まれ、あと数日で命運が尽きる一小藩。
死を目前にした下級武士や百姓衆の不思議な屈託のなさ。
初めて口にできた米や味噌や干し魚。井戸水、塩、草の香り。
死を目前にすると逆に、今食べているものが生き生きとするのだろうか。
滅多に手に入らぬ絹の手触りに喜ぶ女たち。
その時代のその時間に、たまたま姫として生まれただけの一人の少女は
天守閣に籠もり未来の夢を見ながら城が落ちるのを見届ける。
諫早の清々しい青春。
時々、流行の言葉に疲れると読みたくなる一編。
死を目前にした下級武士や百姓衆の不思議な屈託のなさ。
初めて口にできた米や味噌や干し魚。井戸水、塩、草の香り。
死を目前にすると逆に、今食べているものが生き生きとするのだろうか。
滅多に手に入らぬ絹の手触りに喜ぶ女たち。
その時代のその時間に、たまたま姫として生まれただけの一人の少女は
天守閣に籠もり未来の夢を見ながら城が落ちるのを見届ける。
諫早の清々しい青春。
時々、流行の言葉に疲れると読みたくなる一編。
宮尾登美子さんの小説『松風の家』に、一つだけ覚えているセリフがある。
「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」
カタカナの野菜は白い丸皿に載せると映える。
葱とか人参とか大根とか、そんな名前の野菜は厚みのある小鉢がいい。
自分には似合わないと思ってもミスマッチでも、
一度手にとって自分で調理してみたら好きになるかもしれない。
似合わなくたっていいじゃない。
いつも自分の好きなものばかりでなく、正反対にも踏み出してみれば、
新しいおいしさがあるよ、きっと。
私は茗荷が好きになった。