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大阪のとあるオーガニック&マクロビショップの徒然的情報と時々時事コラム

アミノ酸と必須アミノ酸

2005年08月05日 | 自然館'S EYE
最近スポーツ界を中心に「アミノ酸飲料」が注目を集めています。三浦知良、室伏広治、東尾理子、谷川真理、などの日本を代表するスポーツ選手から、長谷川理恵、加藤茶などのタレントまで(敬称略)幅広い分野の人々が使い始めており、「一部のトップアスリートのもの」と思われていたモノが、「誰が飲んでも効果が期待できる健康食品」と認知されつつあります。「アミノ酸化粧品」なるものが、市場に出回るようになってきたことも、一般化を裏付けています。

でもこの「アミノ酸」って、一体なんなんでしょうか?あの有名な食品添加物の「アミノ酸」と全く同じもの?だったら、あんまりいいイメージ無かったんだけど、本当は、身体に良かったわけ?と、首をかしげてしまった人、いませんでしょうか。

今回はそのあたりから、少し整理していきましょう。私たちが生きていくために必要な三大栄養素のひとつであるタンパク質が消化されてできる物質が「アミノ酸」です。「アミノ酸飲料」に含まれているアミノ酸も、食品添加物の「アミノ酸」もこの大きな枠の中に分類されますので、親戚のようなモノという事はできると思います。

ただし、この「アミノ酸」は、「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」というふたつのグループに分けて考えられていて、「アミノ酸飲料」には、「必須アミノ酸」を中心とした10種類以上のアミノ酸が含まれているが、食品添加物の「アミノ酸」は、99.9%「グルタミン酸ナトリウム」で、構成されています。

つまり、全くの別物です。紛らわしいのですが、「非必須アミノ酸」の中には、「グルタミン」と「グルタミン酸」があって、このふたつも別物です。「グルタミン」は「準必須アミノ酸」として取り扱われることもあり、「アミノ酸飲料」にも、含まれています。

では、違いがわかったところで、まとめてみましょう。なぜ、今、「アミノ酸飲料」が注目を集めているのでしょうか?キーワードは「肝臓」です。「肝臓」は、私たちの体内に取り込まれた毒物を分解し、機能の回復を司る、なくてはならない臓器です。一方で、「静かな臓器」とも言われ、壊れる寸前まで無理をして働きます。

「現代人は疲れやすい」といわれてますが、様々なストレスや、化学物質、異常気象といった、マイナス要因は上昇する一方で、肝臓への負担も増え続けている、と言えるでしょう。その肝臓の機能を助け、疲労をいち早く解消する手助けをするのが、「必須アミノ酸」なのです。

と書いてしまえば、「アミノ酸飲料」を肯定しているようですが、「アミノ酸飲料」と「必須アミノ酸」もまた別物であることもお忘れ無く。「商品」である「アミノ酸飲料」に含まれている、例えば「グルタミン」は、グルタミン酸とアンモニアを反応させて合成したモノであったりしますから、御注意を。

必要な「必須アミノ酸」は、毎日のバランス良い食事から摂るのが理想です。
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