市ヶ谷日記

喜寿を超えた老人です。日々感じたことを、過去のことも含めて、書き記しておこうと思います。

ギリアド・サイエンシズの「ソバルディ」と「ハーボニー」は日本のC型肝炎患者を救う。

2015-07-12 | 独吟
 米国のベンチャー企業「ギリアド・サイエンシズ」が開発した新薬が日本のC型肝炎患者の救世主となろうとしている。
 まず2015年5月20日、同社の「ソバルディ」が保険適用になった。この薬を1日1錠12週間続けて服用することにより、C型肝炎「2型」のウィルスが96%消滅すると言われている。
 更に、同年7月3日には、C型肝炎「1型」に効く「ハーボニー」も製造販売承認を得たので、間もなく薬価基準に収載されると言われている。
 C型肝炎は、適切な治療を受けなければ、慢性肝炎、肝硬変、肝がんに進行する恐ろしい病気であり、日本には約200万の患者がいると推定されており、毎年約3万人が肝がんで死亡している。そして、日本人のC型肝炎患者は、「2型」が20~30%、「1型」が70~80%とされており、圧倒的に「1型」が多い。今回、「1型」に薬効のある「ハーボニー」が承認されたわけであり、日本での売上が急増することは間違いない。
 この二つの薬剤が我が国の肝炎患者にとって朗報であることは言うまでもないが、問題は価格である。米国では「ソバルディ」1錠が1,200ドル(約15万)であり、1日1錠で12週間服用すると10万ドルを超え、高価格が問題になっている。健康保険が十分に行きわたっていないアメリカでは、この薬の普及が進まないのは明らかである。
 翻って日本の健康保険は、いろいろ問題はあるが、世界に冠たる制度のもとに運営されている。
 厚生労働省が定める薬価基準によれば、「ソバルディ」は1錠61,799.30円(「ハーボニー」はこの価格にプラスαとなる予想)であり、1日1錠12週間で約520万円となる。自己負担3割の患者は約156万円でこの薬を服用することができる。しかも、高額療養費制度を適用すれば、1か月10万円(12週間服用で30万円)以内でこの薬剤による治療を受けることができるわけである。
 それゆえ、ギリアド・サイエンシズの「ソバルディ」および「ハーボニー」は、日本の医療保険制度を通じて米国以上の販売が期待される。同社の株価は、3年前25~26ドルで低迷していたが、2013年7月には60ドル、2014年7月には90ドルに上昇し、現在は110~120ドル近辺を推移している。今後は、日本での売上が急増することにより、株価上昇が加速するものと思われる。
 ギリアド・サイエンシズに投資することにより、あなたもひと財産つくれるのではないか。