Skb-RS ~ロードスターはじめました~

北海道でロードスター(NB8C)と
デミオ・スポルト(DE5FS)を放し飼いする日記。

Skb-RSとは・・・

おかしな話だと思うのだ

2010-11-25 00:59:58 | Weblog
この事件のニュースについては、最初からここに書こうと思ってたんです。

よっぽど書こうと思った日もあったんだけど、クルマ好きがやってるブログとしては、ふさわしくないとも思って、あきらめてたんですが。



例の、「サイコロ振って、セクハラされた」っていう教師の話です。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101124-00000004-pseven-pol


そもそも、最近は教師の行動を問題にして取り上げることが多すぎると思うんです。
ひとつのブームだと思う。
ブームを超えて、社会の前提として定着してしまうかも知れない。


このニュース、もともと児童が忘れ物したとき等の罰として、教師が作ったサイコロを振らされて、出た目に書いてある「キス」や「ハグ」を強要された、という内容だった。
同時に、児童には人気のある教諭だった、とも書かれていた。


というわけで、絶対この先生は良い先生だろうと思ったのだ。



ここのブログを読んでくれている中にも、同級生が少数ながら居るはずなので、彼らはわかってくれるだろうけど、俺は小学校とか高校まで、大概良い先生に恵まれた。
間違いない。

今でもたまに会って話す恩師もいる。


学校の先生って、とくに小学校の場合は、塾の講師とはまったく違うと思う。
分数の掛け算を教えてくれる先生が良い先生とは、必ずしも言えない。

学校生活にはいろいろなことが起こって、いろいろな児童がいる。
子供たちをまとめて、人間的な成長までも手助けしていくというのは、とても難しいことだろうと思う。
筋書きはない。
人間としての力が問われると言っても、大げさじゃないだろう。

子供たちの信頼を勝ち得るということこそが、なによりも重要で、なによりも難しいことだろうと思う。

そのときに、どうすれば信頼を勝ち得るか、ってのは、そんなのは先生の教科書にも載っていない。
教科書に載ってない難題にむかって、教師として真剣に取り組んでくれる先生には、おのずと児童・生徒もついていくものなのだろうと思う。


「キス」や「ハグ」と、具体的に表現したのは、たしかにちょっとマズかったのかも知れない。
その部分だけを見れば、マズいかも知れない。

でも、筋書き通りにはいかない教師という役割の中で、もっとも重要で難しい、子供たちの信頼を得る、ということをまじめに取り組んで、それを達成していたとしたら、それは先生としてとても素晴らしいことだと思う。


「良い先生」というのは、えてしてユニークだ。
他の先生はしないようなことをしてくれる。
ユニークなだけでは、ただの変な先生だけど、その上で児童のことを大事に考えて向き合ったからこそ、絶大な信頼を得ていたのだろう。


今回の事件で、当の先生は仕事を休んでいるらしい。
教え子たちとその保護者たちは、先生の復帰を望んで、千羽鶴を折ったとか。
地域のお祭りの場に、姿を見せたときには、元教え子など100人以上が集まって、先生をはげましたとか。

今回の問題を最初に訴えたのは、教師の担当のクラスの子ではない。
別のクラスの子供とその親が訴えて始まったことらしい。

そういうものに対して、今の社会は過敏だ。
モンスターペアレントの存在を問題提起しておきながら、マスコミ全体がモンスターペアレントと化している。
学校でいじめがあっても、家庭で虐待があっても、全て「学校では気づかなかったのか」ってなる。
ミヤネ屋で、知らないオッサンに「信じられない教師ですね」とか言われる。
おかしい。


そんな風潮に、学校サイドや教育委員会がビビっちゃって、ちゃんと調べもしないで教師を犠牲にさせとく。


俺は学校の先生なんてやったことないから分からないけど、会社で仕事をしていて思うことともしかしたら似てるかもしれない。


「会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」

まさに、そんな感じだ。

会議室で、いくら会議して方針を細かく決めたって、結局は現場でのそのときの空気とか雰囲気とか流れとか、そういうのってそこにいる人たちにしか分からないじゃん。

サイコロは、この先生が昔から使ってきた手法だそうで、先生の教え子の卒業生たちは、代々卒業するときにそのサイコロ欲しさに争奪戦を繰り広げたんだとか。


どうしてサイコロを使い始めたかわからない。
たとえば、もしかしたら、学校のお昼休みに、テレビを勝手に付けた子供がいたかもしれない。
テレビで「ごきげんよう」がやってて、他の子供たちもテレビを見始めちゃったかもしれない。
そんなときに、先生が「ほらほらテレビ消しなさい。先生のサイコロ振らせるぞー」みたいなことだったのかも知れない。
知らんけど;

そういうのってほら、現場でしかわからないことじゃん。
サイコロでハグさせた、って話だけじゃ、ワケわからないじゃん。


結局、先生と児童たちは信頼で結ばれていたのに、学校や教育委員会がそれを信頼してあげないから、こんなことになっちゃう。

先生も子供たちも傷ついて、大事な時間がいまも削られていっている。
先生は授業をしたくて、子供たちも先生の授業を受けたいと願っているのに。



こんなことで、素晴らしい先生が社会から失われるのは、もったいない。
そんな社会のほうが問題だ。

こんなことが許されたら、全国の他の素晴らしい教師たちまで、窮屈な授業を強いられてしまう。
そんなことで、子供たちに未来はあるだろうか。


そんなんなのに、現場を知らない国が、また勝手に「ゆとり教育」廃止とか復活とか、そういう議論を会議室でするのだろうか。



長く書きすぎてしまったけど。
なんだか、やりきれない気持ちになってしまったので。