今回乗ったのは、BMW 325iでした。
325i
まず、個人的にこのカタチのBMW 3シリーズ、デザインが大好きです。
2000年代の、BMWの彫刻的なデザイン。それでいて、BMWらしいスポーツセダンとしてのバランスをしっかり保っていて、
素晴らしいですよね。
6シリーズのクーペやZ4も好きだけど、あっちはちょっとアクが強い。
売れ筋の3シリーズは、アクを薄めつつ、絶妙な味付けとなっていると思います。
さて、乗ってみます。
まず、スペックはというと、2500ccの直列6気筒。
「最後の直6」と言われています。
「シルキーシックス」と言われるだけあって、エンジンかけた瞬間から、滑らか。まじで。
コレがシルクなら、ロードスターのエンジンはゴザです。
ザラザラw
ちょっと踏んでみます。
この車は、あくまでもスポーツカーではなくて、サルーンということなのでしょうか。
踏んだ瞬間から、瞬発力を持って我々を引っ張っていってくれるわけではないのです。
一瞬、というかちょっとの時間が経ってから徐々に獰猛な加速へと切り替わっていきます。
そのときの音です。
音が、すごいのです。
結局のところ、この車のエンジンは音と滑らかさが素晴らしいのです。
もはや、パワーやトルクの出方は、その出力を大きくすることを目指して開発なんて全然されてないかもしれない。
すべては、この音と滑らかさのために。
そのためにジャマになるのであれば、いくぶんパワーを落としてさえいるかもしれない。
それで整った音が得られるなら。
そう思えるくらい、音が素晴らしい。
嘘かと思うくらい、綺麗な音でした。
実際の加速力はというと、
まぁ、このコンパクトなボディに2500ccのエンジンですので、NAとはいえ、それなりの加速力です。
結構速いです。
でも、知りうる限りでも、このクラスでは日本にもアコードやレガシィやアテンザがあります。
これらも結構速いですから、加速力についてとりたてて驚くことはありません。
というか、正直なところ、大きな加速力と美しい音色が登場する回転数に到達するまでは、じつにモッサリとしていて、うっとうしいくらいです。
加速、減速を繰り返す都市部で乗るには、その良さが消えてしまいそうです。
その代わり、高速道路に乗れば、素晴らしく気持ちよい音色で加速が続きます。
音も滑らかさも気持ちよく、また足回りやボディもしっかりしているから、加速は永遠に続くかとさえ思うほど。
と、ウダウダ長ったらしく書きました。
結局は、良いところも悪いところもある、ということです。
当たり前ですね。
アコードやアテンザが、そうとうよく出来ている、ということを知りました。
こういう言い方も出来るかも知れない。
325iが100点だとしたら、アテンザやアコードやレガシィは、90点くらい(あるいはそれ以上)の点数がつくと思う。
新車価格は、325iはアテンザの2倍くらいするから、そのことからすれば、国産車が奇跡的に安くて、良い車だと改めて知る。
単に、走りの良いスポーツセダンが欲しいと考えたとき、BMWをあきらめて国産にしておけば、200万円くらい浮くのと同時に、大半の人は走りにも完全に満足できると思う。
では、なぜBMWはBMWたるのか、と言えば、やっぱりその10点の差、なんだと思う。
どのような分野の商品でもそうだと思うけど、70点や80点のレベルまでなら、それなりに安価で手に入る。
でも、最後の10点や5点を上乗せしようとしたとき、そこには大きな投資が必要というもの。
楽器や音響機器なんかでは、よくあることだと思う。
BMWを100点としたのは、例えであって便宜上であって、当然100点満点ではないのだけど、
そういうハイレベルなところでのわずかな差(だけど大きな差)が、国産車より上回っている点だと思った。
大半のユーザーは、そのわずかの差は分からなかったり、分かるけど200万円もの差とまでは考えずらいと思う。
であるにも関わらず、BMWは多くの人々にとって憧れであったり、実際に所有したりしている。
「BMW」だから、なのだ。
そのネームバリューというのはすごい。
わずかな差、けれども越えられない差、こういうものをずっと真面目に取り組んできたことの証だと思う。
その差を実際にはよく分からない人々にまで、BMWを購入させているのだ。
さて、大げさに語って、言い訳をしました。
そんなわけで、sakubunもそのような感じで、アテンザの倍の値段で買うことはかなりためらう、と思いました。
違いは当然あります。
音や滑らかさは、圧倒的に違います。
走りも、良いです。
その差は、200万円や300万円を上積みしないと得られないものだと、理屈ではわかります。
ただ、もしBMWを買って国産車よりも200万円高いぶんだけあって、走りも音も素晴らしいなぁ、って満足感に浸るよりも、
国産車を買って、「BMWよりも200万円も300万円も安いのに、こんなに走りが良いのか!」っていう驚きのほうが、
貧乏くさい俺には、身の丈にもあっているし、満足できると思う。そういう満足のほうが好きだ。
さらに言うと、内装の質感も決して大したものではなかった。
国産車は、すぐに雑誌で質感の低さを指摘されて、俺にはたいがいその意味がよくわからないんだけど、
BMWにしたところで、似たようなものだった。
プラスチック感丸出しのオーディオ周り。インパネ下部には「木目調」パネル。
良く触れる部分にメッキやアルミ調パーツが奢られることもほとんど無い。
でもそれはそれでよいことだとも思う。
そんなところで高級感を演出することは、車の良し悪しを根本から左右するものではないから。
そんなところにお金をかけるなら、すこしでも走りこんで走行性能を磨く。
合理的なことかも知れない。
ドアの開閉の音や、トランクを閉める節度感も、なんだか国産車とは一線を画してる気がしたから、
モノ自体よりも、操作感や音、フィーリングでこそBMWの良さを感じ取るべきなのだろうな、と思った。
それが分かっただけでも、素晴らしい経験だった。
今回借りたのは、
ACSレンタカーというレンタカー屋さん。
外車専門のレンタカーで、プジョー206CCやミニカブリオレなんかもラインアップしてました。
本社は東京で、ちゃんとした会社なんだけど、店舗はこじんまりとしていて接客も素晴らしかったです。
ここに、こうやって店について触れておきたいと思うくらい、サービスが良かったです。
借りる日はホテルまでシボレーのデッカいワゴンで迎えにきてくれて、返したときは空港まで送ってくれました。
なんといっても、その安さ。
1泊2日(2日まるまる)使って、9000円。 オプションの保険を追加したので15000円になりました。
それでも格安。
とてもお勧めです。