「任侠」シリーズ第二弾。日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、ちっぽけながら独立独歩、任侠と人情を重んじる正統派のヤクザだ。そんな組を率いる阿岐本雄造は、度胸も人望も申し分のない頼れる組長だが、文化的事業に目のないところが困りもの。今回引き受けてきたのは、潰れかかった私立高校の運営だった。「生徒は舎弟も同じだ!」おなじみ阿岐本組の面々が潰れかかった私立高校の理事に。荒廃した学園を、日村たちは建て直すために井の頭学院高校に乗り込むのだが。百戦錬磨のヤクザも嘆くほど、荒れ果てた花壇、窓ガラスを割る生徒、学級崩壊している授業に為すすべもない教員たちにモンスターペアレント。代貸の日村は苦労しながらもヤクザらしく一人の人間として、生徒たちと対峙していく。そんな中とある生徒のバックについている大きなヤクザが動き出し・・・日本人が捨てた「恥の心」を取り上げた社会派ユーモア小説に一気読み出来ました。西田敏行・西島秀俊のW主演で映画化だとかこちらも面白そう。
2007年9月実業之日本社刊