読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

両角長彦著「ラガド・煉獄の教室」

2014-07-22 | ま行
2009年度第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。始業直前の中学校の教室に包丁を持った男が乱入、学級委員の女子生徒を刺殺した。
東京都内の中学校で生徒2人が死傷した、無差別殺傷事件。容疑者は2カ月前に自殺した女生徒の父親だった。学校、生徒、警察など、
様々な思惑や不穏な動きが絡み合い、真相を複雑にしていく。犯行状況時の生徒たちの動きを、93枚の見取り図で追った実験的小説。
怨恨か、無差別殺人か?警察は教室の原寸大セットを組み、犯行の再現実験を行うが、再現を重ねるたびに予想外の事実が判明し、迷走状態に陥る。
一方、事件の真相を生放送で暴くと予告したテレビ局は、公約を実行するというのだが・・・犯人、担任、生徒たちという複数の視点から解釈し、
それらを重層的に重ね合わせるように読者に提示することにより、一見単純だと思われた事件は徐々に複雑さを増していく展開でテンポがいいのだがいじめ、
クラス崩壊など掘り下げが浅く心に響いてこない警察の動きが不明でマスコミ主体で展開されるのには納得性がない。
結末もスッキリしなかった。
2010年2月光文社刊 光文社文庫

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