読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

湊かなえ著「残照の頂 続山女日記」

2024-01-03 | ま行
シリーズ第2弾。女性を主人公にした山岳ミステリー。
「通過したつらい日々は、つらかったと認めればいい。たいへんだったと口に出せばいい。そこを乗り越えた自分を素直にねぎらえばいい。そこから、次の目的地を探せばいい。」亡き夫に対して後悔を抱く女性と、人生の選択に迷いが生じる会社員。亡き夫の謎と元カレ再会・・・「後立山連峰」。失踪した仲間と、ともに登る仲間への、特別な思いを胸に秘める音大生たちの三角関係。表題「残照の頂」の意味が・・・・「北アルプス表銀座」娘の夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生。親との進路相談。・・・「立山・剱岳」。大学卒業後に様々な困難に遭遇し、登山はおろか友人関係さえも疎遠になっていた女性二人が、コロナ禍を乗り越え再び登山を始める、30年ぶりの登山をかつての山仲間と報告し合う疎遠だった友との文通。・・・「武奈ヶ岳・安達太良山」。日々の思いを噛み締めながら、一歩一歩、山を登る女たち。頂から見える景色は、過去の自分を肯定し、未来へ導いてくれる。人生と山と、リンクさせてほろっとさせてくれる素敵な話で、また続編が読みたい。武奈は昨年に、安達太良除き他の山も過去に登ったことのある山ばかりだったので当時のことを思い出しながら読んだ。著者の山を愛している目線が心地好い。
2021年11月幻冬舎刊


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