読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

未須本有生著「天空の密室」

2023-12-26 | ま行
著者は東京大学工学部航空学科卒で、大手メーカーで航空機の設計に携わった経験があり現フリーのデザイナー。「令和X年クルマが東京の空を飛ぶ」。空飛ぶ車『エアモービル』研究開発の光と影をえぐる本格ミステリー。自動車部品メーカー・モービルリライアントは、下請け体質からの脱却を図るべく新規事業を立ち上げ、さらなる発展を期して航空業界へと進出した。ドローンを進化させた1人乗り飛行体・エアモービルの開発に乗り出す。試行錯誤の末、試作3号機は公海上での飛行試験までこぎつけたが・・・。湾岸の高層オフィスビルの屋上にバラバラ死体が入ったスーツケースが置かれていた事件が発生。その場所へは警備システムが完備した屋内非常階段を上がるか、ヘリコプターで空からアクセスするしか方法がない。だがいずれもその形跡がなく、死体がどうやって運ばれたか特定できないまま捜査は難航する。役人の保身や嫌がらせが原因で新規の分野の開発が遅れるっていうことがあるとは。資金集め、国交省との交渉など、様々な工程を経て『空飛ぶクルマ』の完成を目指す開発物語の展開なのだが、はじめからある程度犯人は解ってしまうようにしむけているが、最後に意外な人物が名乗り出るというひと工夫されているミステリーでした。
2022年5月南雲堂刊

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