仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が・・・。誘拐ビジネスの創業者稲葉とそのグループのコンサルタント折尾オリオ、その末端社員兎田孝則、宮城県警察本部の夏之目課長、空き巣グループの黒澤たちなどが息子への、妻への、娘への、オリオン座への愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく誰も呼ばないけれど「白兎事件」の全貌。
一見関係ないかに見える断片が次々につながっていく展開と、場面や時間を前後させたり、切り替えて、そこへ多くの思惑や出来事が重なっていく本音と建て前の心理状況が語られ一体どうやって収束させるのかと心配させる感じ。なぜ折尾を捜すにこんな手段を取るのかとか、人質にピストルを渡すはとか、黒澤が監禁先に捜査責任者を連れて行くところもあり考えられない設定、ストーリーのご都合主義と辻褄を合わせに唖然。2017年9月新潮社刊
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