読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

中山七里著「鬼の哭く里」

2024-10-30 | な行
殺人鬼の咆哮が轟き、村人がまた祟り殺された。岡山県津山市姫野村。人口 300 人にも満たないこの限界集落には、令和の現在も70余年前の呪縛を恐れていた。村人6人を惨殺した巌尾利兵衛の呪いにより、数年に一度、村にある鬼哭山から利兵衛の咆哮が轟き、仇なした者を殺すというのだ。新型コロナ感染症でパニックに陥る最中、一人の男が東京から移住してきたことをきっかけに、呪いの犠牲者と思しき死者が出てしまう。
閉鎖的な田舎町に一人の証券マン間宮恭一が引っ越して来た。隣の家に住む、将来は村を出てゆくことと夢を持つ中学生天木裕也とはすぐ仲良くなるが時はコロナ禍の真っただ中で・・・。
土地に伝わる呪いとコロナの流行がムラ社会の排他主義と閉塞感と集団同調心理が強まり、少しずつ歯車がずれていき悲劇が起きる。咆哮の原因が解明されるが最後のドン伝返しは悲しい。
2024年5月光文社刊 


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