辞書には「スタンピード」とは、「大挙して逃げ出したり押し寄せたりする、群衆などの突発的な行動。パニック状態。」とある 。
著者は、1956年広島生まれで、映画監督であり作家。
2014年の東京の近未来のを描いた虚無と荒廃と絶望の匂いがする不気味な小説。
主人公はTV制作プロダクションで働く伊沢。世界の秘境に出かけてはそこに
棲息する珍しい生き物を取材して番組を作るのが仕事。
ある日彼は、「集合無意識研究所」なる組織の加藤と名乗る男から電話を受けやがて、「虐殺までの時間はあまりない」と謎めいた警告を聞かされる。
一方新聞やテレビのマスメディアは、真実よりも耳目を集める記事で、「普通の人々」に危機を煽り無意識にじっくりと歪みを育てているようだ。やがて未曾有の東京大虐殺のその瞬間が・・・。
『国民全員が犯罪者になったとしたら、法はもう機能できない。近代法治国家は、社会の多数派は善良で法に触れるようなことはしないという前提がなければ成立しない』
『人は群で生きることを選択した。牛の群は一頭が走りだすと群が全体に走り出します。・・・弱いからです。1匹では生きられない。不安や恐怖が強いからです』
『砂漠でたった一人で遭難したときの対処法・・・西でも東でも北でも南でもいいから、とにかくいったん歩き始めたら二度と絶対に方向を変えないこと。弱気になって方向を変えるな・・・いったん歩き始めた方向が、街やオアシスの最短距離なのだと思い込むこと。根拠はないけど信じること。そして決してゆるがないこと。揺らいでもあわてないこと。正しいと思うなら自分を信じること。小さな間違いはたくさんあるけど、自分は大きくは間違っていないことを信じること。』
2008年12月 毎日新聞社刊/ 1680円
著者は、1956年広島生まれで、映画監督であり作家。
2014年の東京の近未来のを描いた虚無と荒廃と絶望の匂いがする不気味な小説。
主人公はTV制作プロダクションで働く伊沢。世界の秘境に出かけてはそこに
棲息する珍しい生き物を取材して番組を作るのが仕事。
ある日彼は、「集合無意識研究所」なる組織の加藤と名乗る男から電話を受けやがて、「虐殺までの時間はあまりない」と謎めいた警告を聞かされる。
一方新聞やテレビのマスメディアは、真実よりも耳目を集める記事で、「普通の人々」に危機を煽り無意識にじっくりと歪みを育てているようだ。やがて未曾有の東京大虐殺のその瞬間が・・・。
『国民全員が犯罪者になったとしたら、法はもう機能できない。近代法治国家は、社会の多数派は善良で法に触れるようなことはしないという前提がなければ成立しない』
『人は群で生きることを選択した。牛の群は一頭が走りだすと群が全体に走り出します。・・・弱いからです。1匹では生きられない。不安や恐怖が強いからです』
『砂漠でたった一人で遭難したときの対処法・・・西でも東でも北でも南でもいいから、とにかくいったん歩き始めたら二度と絶対に方向を変えないこと。弱気になって方向を変えるな・・・いったん歩き始めた方向が、街やオアシスの最短距離なのだと思い込むこと。根拠はないけど信じること。そして決してゆるがないこと。揺らいでもあわてないこと。正しいと思うなら自分を信じること。小さな間違いはたくさんあるけど、自分は大きくは間違っていないことを信じること。』
2008年12月 毎日新聞社刊/ 1680円
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