私は会社員時代は開発部にいたため、営業の経験は全くない。だから今、こうして治療院の運営に苦労しているのだが、営業の世界では「商品を売る前に自分を売れ」という言葉があるそうだ。確かに世にある大半の商品なんて、宣伝で言われるほど大きな違いはない。むしろ他に対する優位性を強調すればするほど、受け手は胡散臭さを感じてしまう。何を選んでも似たようなものなら、商品を選ぶ基準は非常に曖昧なものにならざるを得ない。結局、それは商品そのものが信頼できるかどうかではなく、その商品を勧める人が信頼できるかどうかという方向になっていく。「他でもないあなたがいいと言うなら、それを買いましょう」ということだ。
その「自分を売る」ということを今、最も忠実かつ強力に実践している人を1人上げるなら、それは勝間和代だろう。2008年に大ブレイクして、本屋に行けば勝間和代コーナーができている。『お金は銀行に預けるな』『会社に人生を預けるな』などの彼女の本のタイトルをもじって、私などは「勝間和代に人生を預けるな」と言いたくなってしまうほど彼女の思想(というほど大したものではないが)に感化された、カツマー(=勝間和代フリーク)が大量増殖している。
勝間和代の中には「自分を売る」ためのさまざまな戦術が見て取れるが、私が以前から強烈に感じているのが「写真」である。彼女の出すほとんど全ての本には、彼女の顔写真が出ている(唯一の例外は、翻訳書である『史上最強の人生戦略マニュアル』だろうか)。それは本によって表カバーだったり帯だったりするのだが、とにかく「勝間和代の本には勝間和代の顔がついている」のだ(注1)。かくして読者は、「勝間和代の本」を買いながら、実は「勝間和代」自身も買っていることになる。普通は本の内容が面白くても誰が書いたかまで意識することはないが、勝間和代の場合は、顔写真を通じて読者の頭の中で本と本人とが完全にリンクされてしまうよう、仕掛けが成されているのである。
しかも、その写真はプロの写真家に頼んでかなりのコストをかけて撮っていることを示唆する記事を、彼女自身がメルマガの中で書いている。
美人の基準は人それぞれなので、あくまで私見としてだが、勝間和代という人はいわゆる美人ではないと思う。少なくとも私の好みではない。しかし、本の表カバーや帯についている彼女の写真はとても魅力的で、妙に気になる顔つきをしている。つい本を手にとって見たくなるほどに(と言っても、私はこれまで勝間和代の商品には1銭も投資したことはないが)。そのくらい、あれはただ「著者の顔が見えるように自分の写真を商品につけてます」などという程度のものではなく、効果を最大化できる写真をコストをかけ、選び抜いて使っている。その証拠に、それ以外の、本の中ほどに出てくる写真や雑誌記事の中の彼女の写真からは、特別凄い印象も受けないし魅力も感じないものが多い(それはある意味、勝間和代が「一定角度美人」だというだけのことなのかもしれないが(注2))。
しかし、そんな勝間和代とは全く別の形(と言うか、全く異なるベクトル)で「自分を売る」ことをある種、究極の形で実践している人がいることがわかった。トミモトリエ、32歳、職業「自分屋」。
以下、mixiの記事から引用すると──
「自分屋」のHP(←この脱力感あふれるゆるーい感じが何とも言えない)
──いや~世の中にはオソロシイ人がいたもんだ。それに比べると、私などはまだまだ努力が足りん、と思わずにはいられない。
ところで、どなたか私を買って下さい。
(注1)これは同じビジネス書を出している神田昌典や本田健とは真逆の戦略だ。今でこそ神田昌典は雑誌や動画などに顔を露出するようになったが、以前は彼の顔は、彼がやっているHPのイラストくらいしでしかお目にかかれなかった。本田健に至っては、今もって一切の顔写真を公開していない。彼のやっているアイウエオフィスのHPや資料には「本田犬」というキャラクターが登場するが、神田さんと違って、これは本田健の似顔絵ですらない。
神田昌典のHP
アイウエオフィスのHP
(注2)この「一定角度美人」は、マンガ『ハイスクール奇面組』の中で、ある角度から見たときだけ美人という、雪中路マミ(これはもちろん「中島みゆき」のアナロジー)というキャラに使われた言葉。一時は中島みゆき自身が、当時パーソナリティを勤めていた『オールナイトニッポン』のトークや自分の著書の中でギャグのネタとして使っていた。
その「自分を売る」ということを今、最も忠実かつ強力に実践している人を1人上げるなら、それは勝間和代だろう。2008年に大ブレイクして、本屋に行けば勝間和代コーナーができている。『お金は銀行に預けるな』『会社に人生を預けるな』などの彼女の本のタイトルをもじって、私などは「勝間和代に人生を預けるな」と言いたくなってしまうほど彼女の思想(というほど大したものではないが)に感化された、カツマー(=勝間和代フリーク)が大量増殖している。
勝間和代の中には「自分を売る」ためのさまざまな戦術が見て取れるが、私が以前から強烈に感じているのが「写真」である。彼女の出すほとんど全ての本には、彼女の顔写真が出ている(唯一の例外は、翻訳書である『史上最強の人生戦略マニュアル』だろうか)。それは本によって表カバーだったり帯だったりするのだが、とにかく「勝間和代の本には勝間和代の顔がついている」のだ(注1)。かくして読者は、「勝間和代の本」を買いながら、実は「勝間和代」自身も買っていることになる。普通は本の内容が面白くても誰が書いたかまで意識することはないが、勝間和代の場合は、顔写真を通じて読者の頭の中で本と本人とが完全にリンクされてしまうよう、仕掛けが成されているのである。
しかも、その写真はプロの写真家に頼んでかなりのコストをかけて撮っていることを示唆する記事を、彼女自身がメルマガの中で書いている。
美人の基準は人それぞれなので、あくまで私見としてだが、勝間和代という人はいわゆる美人ではないと思う。少なくとも私の好みではない。しかし、本の表カバーや帯についている彼女の写真はとても魅力的で、妙に気になる顔つきをしている。つい本を手にとって見たくなるほどに(と言っても、私はこれまで勝間和代の商品には1銭も投資したことはないが)。そのくらい、あれはただ「著者の顔が見えるように自分の写真を商品につけてます」などという程度のものではなく、効果を最大化できる写真をコストをかけ、選び抜いて使っている。その証拠に、それ以外の、本の中ほどに出てくる写真や雑誌記事の中の彼女の写真からは、特別凄い印象も受けないし魅力も感じないものが多い(それはある意味、勝間和代が「一定角度美人」だというだけのことなのかもしれないが(注2))。
しかし、そんな勝間和代とは全く別の形(と言うか、全く異なるベクトル)で「自分を売る」ことをある種、究極の形で実践している人がいることがわかった。トミモトリエ、32歳、職業「自分屋」。
以下、mixiの記事から引用すると──
ウェブ上に自分のスケジュールを公開し、暇な時間を依頼主に売って働くという、なんとも体当たりなお仕事。ウェブデザイナーという本業の傍ら、この"自分レンタルサービス"を始めたそうだ。もともと、個人のブログでも、ライブカメラで自分の姿を延々と流し続け、ネット界隈では「個人情報をダダ漏れさせる女」として話題を呼んでいた。そういった知名度もあり、これまで月に5~6件ほどの依頼が来ているという。
「もちろんこれで食べるのは無理(笑)。ただ、本業のプロモーションや、自分の知らない仕事を体験してみる、ということが目的なので、あまり儲けは考えていないんです」
これまでの依頼内容は、本業のスキルを生かしたものから、家に帰れない姉の代わりに見知らぬ家族と一緒にカニを食べるという、一風変わったものまで多種多様。ちなみに、このときは、食べたカニが報酬だったそう。ところで、アブないお仕事とかの依頼は来ないんですか?
「依頼者には、体験した仕事内容をウェブにアップする許可をもらって、日報として、逐一公開しています。そのせいか、悪質な依頼は1件もないですね(笑)」
最近では、赤の他人にご飯をおごるだけの「おごるTV(ogoru.tv)」なる、サービスも開始。一体なんのために?
「ご飯を食べて、会話をして、それをきっかけに何かアイデアが生まれるはずです!」と、力強いお言葉。ウェブを媒介に、人と人をつなぐ、トミモトさんの旺盛な企画力に脱帽です。
「自分屋」のHP(←この脱力感あふれるゆるーい感じが何とも言えない)
──いや~世の中にはオソロシイ人がいたもんだ。それに比べると、私などはまだまだ努力が足りん、と思わずにはいられない。
ところで、どなたか私を買って下さい。
(注1)これは同じビジネス書を出している神田昌典や本田健とは真逆の戦略だ。今でこそ神田昌典は雑誌や動画などに顔を露出するようになったが、以前は彼の顔は、彼がやっているHPのイラストくらいしでしかお目にかかれなかった。本田健に至っては、今もって一切の顔写真を公開していない。彼のやっているアイウエオフィスのHPや資料には「本田犬」というキャラクターが登場するが、神田さんと違って、これは本田健の似顔絵ですらない。
神田昌典のHP
アイウエオフィスのHP
(注2)この「一定角度美人」は、マンガ『ハイスクール奇面組』の中で、ある角度から見たときだけ美人という、雪中路マミ(これはもちろん「中島みゆき」のアナロジー)というキャラに使われた言葉。一時は中島みゆき自身が、当時パーソナリティを勤めていた『オールナイトニッポン』のトークや自分の著書の中でギャグのネタとして使っていた。
テンプレートは──特にそう決めているワケでもないのですが──半年に一度くらいで変えています。今回もそろそろ替え時だなと思っていたのですが、なかなかコレというものが見つからずにいたのです。
後付ですが、コンセプトは『枕草子』の「夏は夜」です(一応、春・夏用のテンプレートとして考えているので)。
今までのものとは、またテイストが違いますが、いかがでしょう?
>うちは先日、居酒屋の大将が黒バックでチラシを作ってくれました。
実はウチも以前、黒地に白文字のチラシを作ろうとして印刷屋に頼んだのですが、白インクがうまく乗らないということで断念した経緯があります。
うちは先日、居酒屋の大将が黒バックでチラシを作ってくれました。
なんだかブラックな時なのでしょうか?
>結局売るためには自分の商品価値を上げないといけないようで・・・
それがなかなかできないんですよ
確かにそうなんですよねぇ…。しかも難しいのは、商品価値というのは自分自身が決められるわけではなく、あくまで相手が決めるものだということ。
一生懸命、自分の商品価値を上げてるつもりでも、相手にとっては全く無価値だったりすることもありますから、自己満足に陥らないように注意しないと
やはり「自分自身を売れ」とよく言われました
十数年営業をやって後輩たちに言ったのが
「自分自身を売れ筋商品にしないと売れないよ」
結局売るためには自分の商品価値を上げないといけないようで・・・
それがなかなかできないんですよ
http://www.youtube.com/watch?v=WMHM1e-3KWg
http://www.youtube.com/watch?v=caW8PE8mDwY