山本文緒さんの本
昔文緒さんの本はよく読んだ。
プラナリアとか大好きだった。
この方は「著者」で選ぶ読書ラインナップ。凄く信頼している作家様。
自転しながら公転する、読後感が良かった。
色々あるけど人生を共に歩みたいと思う人がいるのは幸せだよね。
本筋じゃないけど(隣筋くらいかな)
アパレルに務める主人公、都(みやこ)の母親が今まで何気なく隣で過ごしてきた夫の側面に気づいてしまいながらも、都と貫一の関係をみながらの自分の結婚感や自分の人生を改めて認識してグイグイ終活に進んでゆく姿は良かった。
皆自転しながら距離を縮めたり遠のいたりしながら人生を歩んでいるのだ。
誰のせいでもなく、自分の人生を歩んでいるんだと皆が思えば、面倒なことはかなり減るんだよね。
「無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記」に思ったよりも大層売れた、とも書いてあった。
私の興味の対象は彼女の書く小説から文緒さんのエッセイ、つまり文緒さん自身に移り、うつ病や王子の話や、亡くなるまでの話も読んだ。
結局のところ、事実が巻き起こす感情ほど生々しいものはなく、小説も「続きが気になって読んじゃう」気持ちはあるけれど、事実から感じる以上の感情を得ることが難しくなってしまったなぁ。
ということに、この本を読んでいて気づいた。
当然といえば当然なのだけど、とりわけ文緒さんの著書をその人生と共に読んできたがために「無人島」を読んで感じた感情が強すぎたわ。
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