goo blog サービス終了のお知らせ 

仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

20101023_ 東京ひとり旅:ポリーニを聽きに・・・ (メモ3)

2010-10-23 21:19:49 | 仙丈放浪記
「青山1丁目」の3号出口を出た。
サントリーホールへの誘導サインがあるだろうという期待は見事に裏切られた。
付近の案内図があったので見たところ、大通りを行くルートと細い道をくねくね行くルートがありそうだった。
私はこういう時、細いほうを選ぶ習癖がある。
で、・・・失敗。
あとでわかったのだが、3分でいけるところを、迷い道くねくねで10分かかった。

ステージ奥の席。
みんながこっちを見ているので、結構恥ずかしい。
自意識過剰なのはわかっているのだが。
でも演奏が始まれば、どうでもよくなる。

ポリーニの演奏。
30番。
いまひとつ曲に没入できない感じ。
ポリーニがまるでグールドのように、うなる、歌う。
これにはびっくりした。
終楽章の変奏曲がよかった。
31番。
かつてのポリーニとはまったく違う。
ポリーニはアポロンからディオニソスに変貌した。
年齢とともに、ポリーニを縛っていた何物かから解放されたかのようだ。
立ち上がって、ブラヴォー。
32番。
まさしくディオニソス。
1楽章の盛大なミスタッチもなんのその、歌いまくって鍵盤を叩きまくる。
低音の強調。
バランスなんぞクソくらえ。
終楽章。
ああ、天国のトリル。
トリルの美しさは、おそらく古今東西、ポリーニの右に出るものはいないだろう。
この曲のこの長大なトリルを、粒をそろえてリズムが乱れることなく弾けるピアニストは稀だろう。
リヒテルでさえこの曲のトリルは粒が揃わない。
それを実演でここまで見事に弾くのだから・・・

素晴らしい演奏だった。
きっと客席は総立ちでブラヴォーが飛び交うに違いない。
さう思って私は遠慮した。
だって2曲続けてブラヴォーを叫んだら、単なる「ブラヴォーおぢさん」だと思われるぢやないか。
それなのに、あれ?誰も立ち上がらないし、ブラヴォーの声もかからない。
そんなバカな!
こんな素晴らしい演奏だったというのに・・・
そのくせ、カーテンコールを続けるうちに立ち上がって声がかかるのだから、よくわからん。
東京の聴衆はみんなシャイなのかな?
私は少し関西に染まったのかもしれないな。


アンコールは、バガテルから2曲。
でも32番の後にアンコールなんていらないよ。
32番の余韻にもっと浸っていたかったのに・・・



さ、メシだメシだ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 20101023_ 東京ひとり旅:ポ... | トップ | 20101024_ 東京ひとり旅:ポ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿