九死に一勝を得た

ナゴドでの中日戰、天王山第２ラウンド第２試合。

中日３－４阪神。

いつたい、なんといふゲームだつたのだらう。
７囘裏から見はじめたのだが、その時は０－１で勝つてゐた。
しかし、藤川が打たれて１－１の同點。
８囘には鳥谷のタイムリーで１－２と突き放した。

そして、９囘表。
２アウト滿壘から、代打・關本がライト前にタイムリー。
１點追加し、２點目の代走・中村がセカンドからホームへとかへつて來た。
福留からは好返球。
タイミングはセーフだつたが、谷繁の巧妙なブロックで判定はアウト。
岡田監督の抗議があつたが、判定はもちろん覆へらない。
スロービデオで見ても、どうやらセーフのやうに見えたが、なにはともあれ判定はアウト。

１－３と２點差で、９囘裏を迎へた。
ピッチャーは久保田。
正直に云はう。
私は２點差ではヤバイなあと思つた。

すると案の定、またまた「久保田劇場」開幕だ。
アレックスがヒット、森野がヒットでノーアウト２・３壘。
ここで谷繁がセカンドゴロ。
關本がバックホーム。
本壘できはどいクロス・プレーとなつたが、判定はセーフ。
ここで、平田コーチと岡田監督がベンチからダッシュ。
平田コーチは球審を押したかどで退場。
岡田監督は選手を引き揚げさせての抗議。
１８分試合が中斷した。

ストライク・ボールやアウト・セーフの判定は覆へらない。
そんなことは百も承知の上での抗議だとは思ふが、
見てゐるファンのためにも、あそこはもつと早く試合を再開して欲しかつた。

中斷後、荒木のセンターフライをなんと赤星がエラー。
續く井端は敬遠で、１アウト滿壘。

ここからの久保田は凄かつた。
まづ、形相そのものが變はつてゐた。
氣合ひのはいつた顏で、渡邊とウッズを連續で空振り三振！
見てゐて背筋が寒くなつた。
けどな久保田よ、
そんな投球が出來るなら、最初からしとかんかい！

延長に入り、１１囘表、中村がレフトにホームラン。
これが決勝點となつた。

久保田は９囘から１１囘までの３囘を投げきつて５勝目。
金本は４囘のホームランで通算９９９打點を記録し、１０００打點に王手をかけた。

これで通算成績は７２勝４９敗５分で貯金２３。
２位中日とのゲーム差は３に戻つた。
殘り試合は２０。

タイガースは大きな、とてつもなく大きな勝ちを拾つた。
まさに九死に一勝を得たといへやう。