諏訪大社上社の近くに、諏訪市博物館がある。
ここに父の名前で寄託しているものがある。
上社のお札などを売っているところで目にすることもある物の版木だ。
昔々我が家の先祖が上社の大政所という職についていた時に、使っていた物らしい。
それを「鹿食免」という。
蔵を片付けているときに発見したという事だ。
これ以外に何枚かの版木があったという事だが、燃やしてしまったらしい。
まあ何という事だろうというしかない!!
昔仏教が伝来した時、肉を食べるのは禁止という事になった。
しかしそうは言っても、上社の神事に欠かせないのが鹿である。
しかも肉食という文化は連綿と続いてきたものなので、逃げ場を作ったのである。
このお札を持つことで肉を食べるのを許されるという、口実である。
箸袋に刷り、その箸袋に入れた箸で肉を食べれば許されたのである。
その後甲州一帯の鹿肉・上社の神事で使う鹿肉の全てが我が家を経由したのである。
それと同時にこの鹿食免を全国にいる肉を食べたい人たちを救済するかのように、
津々浦々まで諏訪神社が出来ていく事になったのである・・・・と、僕は思っている。