「古風なメヌエット」…スパイシーな不協和音で始まるテーマがバッハの「インヴェンション」のように左右の手で応答する。全体的には柔らかい7の和音の連鎖。
ショパンのノクターンOp.27-1の終結部では鐘の音のような和音が潜在的で殆ど聴き取れないもどかしさがあるが、ラヴェルのこの曲では確かに響く。作曲技法の発展。
和声進行はフォーレの弟子の証。この斬新な曲に謙虚な曲名。
「道化師の朝の歌」(「鏡」IV)…ギターを掻き鳴らすような不協和音、あくの強いリズム、奇抜な遊び心。
ボレロ風の速い主部も、ノクターン風の遅い中間部も、常に連打音が固執する。
中間部の陰鬱な脈動を破って連打音の飛沫の中、眩いコラールが2度出現する。
「悲しい鳥たち」(「鏡」II)…静寂、煌めき、木霊、鳥の声*、気配、湿度、霧。ピアノでここまで色彩と情感豊かな音楽が!
* 鳥の声E durは主調es mollのナポリ
これら3曲を暗譜した。
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